南風 - SOUTH WIND -

南風 - SOUTH WIND - (みなみかぜ - さうすういんど - )

「南風 - SOUTH WIND - 」は、日本の歌手、太田裕美によって1980年の3月に発表された通算19枚目のシングルです。この楽曲は、当時のキリンビール清涼飲料水事業部（現在のキリンビバレッジ）が展開していた人気商品「キリンオレンジ」のテレビコマーシャルに起用され、多くの人々の耳に触れることとなりました。爽やかなメロディーと太田裕美の透明感あふれる歌声が、商品のイメージとも相まって強い印象を残しました。

ヒットの背景と影響

このシングルは、1977年9月に発売された「九月の雨」以来、およそ2年半ぶりにヒットを記録した楽曲として知られています。オリコンチャートにおける売上枚数は11万枚を突破し、太田裕美にとって久々のセールス面での成功となりました。それまでの彼女のイメージに加え、CMソングとしての強力なタイアップ効果が、幅広い層への浸透に繋がったと考えられます。

CMバージョンに隠された3番

この楽曲は、特にコマーシャルで使用された音源に関して興味深い点があります。一般に流通しているシングルの音源には収められていない、いわば楽曲の「続編」とも解釈できる3番の歌詞が存在することが知られています。これは、CMの世界観に合わせて特別に作られたもので、楽曲のファンにとっては特別な魅力の一つとなっています。

紅白歌合戦でのパフォーマンス

「南風 - SOUTH WIND - 」のヒットを受け、太田裕美は1980年末に放送された『第31回NHK紅白歌合戦』に出場しました。この時のパフォーマンスは特に印象的で、彼女は歌唱中にローラースケートを披露しました。この意外な演出は当時大きな話題を呼び、楽曲と共に多くの視聴者の記憶に刻まれることとなりました。

シングル収録曲

本シングルの収録曲および各楽曲の詳細は以下の通りです。全曲の編曲は萩田光雄が手掛けています。

A面：南風 - SOUTH WIND -
作詞・作曲：網倉一也
時間：3分20秒
シングルA面曲であり、キリンオレンジのCMソングとして使用されました。網倉一也氏による作詞・作曲で、夏を感じさせる爽快なメロディーと歌詞が特徴です。

B面：想い出の「赤毛のアン」
作詞：岡田冨美子
作曲：濱田金吾
時間：4分13秒
* 作詞は岡田冨美子氏、作曲は濱田金吾氏が担当。A面とは異なる雰囲気を持つ楽曲で、シングルのカップリング曲として収録されています。

関連作品

「南風 - SOUTH WIND - 」は、その後の太田裕美のベストアルバムや、夏をテーマにしたコンピレーションアルバムにもたびたび収録されています。例えば、彼女の多くのシングル曲を集めた『GOLDEN☆BEST 太田裕美 コンプリート・シングル・コレクション』や、様々なアーティストによる夏歌を集めたコンピレーションアルバム『夏歌2』などに収められており、現在でも様々な形で聴くことが可能です。

1980年代初頭の日本のポップスシーンを彩った一曲として、「南風 - SOUTH WIND - 」は、太田裕美の代表曲の一つとして今なお親しまれています。

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