単超

単超（ぜん ちょう）

単超（生年不詳 - 160年）は、後漢時代の宦官です。彼は桓帝の治世初期に中常侍として仕え、政治の中枢に関わるようになりました。

梁氏一族の粛清

当時の後漢王朝では、梁冀という外戚が絶大な権力を握っていました。梁冀は、二人の妹を順帝と桓帝の皇后に立て、その勢力を背景に太尉の李固や杜喬といった反対勢力を排除し、多くの妃嬪を毒殺するなど、専横を極めていました。桓帝自身も梁冀の権勢を恐れ、内心では不満を抱きながらも表に出すことができませんでした。

159年、梁皇后が亡くなると、桓帝は密かに宦官の唐衡に相談し、梁氏一族と対立する側近を探させました。唐衡は単超、左悺、徐璜、具瑗の四名を推薦しました。桓帝は彼ら五人の宦官と密かに会合を開き、梁氏一族の粛清を計画しました。その際、単超の肘を噛み、その血で盟約を交わしたと伝えられています。

粛清計画は実行に移され、司隷校尉の張彪が梁冀の邸宅を包囲し、梁冀夫妻は自殺に追い込まれました。単超は梁氏一族を捕らえ、処刑しました。この功績により、単超は新豊県侯に封じられました。同時に、徐璜、具瑗、左悺、唐衡も封じられ、彼らは「五侯」と呼ばれるようになりました。

五侯の台頭とその後

五侯が権力を握ったことで、後漢の政治はさらに混乱しました。宦官たちが政治を壟断し、朝廷の規律は乱れました。単超自身は病に倒れ、160年に亡くなりました。死に際して、桓帝は彼を車騎将軍に任じました。

単超の死後、彼の兄弟や子も官位を得ましたが、その多くは腐敗官僚として悪名を馳せました。165年に左悺と具瑗が失脚すると、単超の後継者は郷侯に降格され、一族の多くが爵位と領地を剥奪されました。

単超の台頭は、後漢王朝における宦官の権勢拡大を象徴する出来事であり、その後の王朝の衰退に大きな影響を与えました。

参考文献

* 『後漢書』巻78 列伝第68

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