危機対応特別目的海兵空地任務部隊 (中央軍)

危機対応特別目的海兵空地任務部隊-中央軍について

危機対応特別目的海兵空地任務部隊-中央軍（SPMAGTF-CR-CC）は、アメリカ海兵隊による特殊な部隊であり、主に中東地域でのアメリカ公館及び在外米国人の保護を担当しています。この部隊は、アメリカ中央軍の指揮下に置かれ、迅速に危機に対応する能力を持っています。

背景

2012年に発生したアメリカ大使館襲撃事件、特にリビア・ベンガジでの領事館襲撃は、アメリカ軍の即時対応能力に対する大きな疑問を引き起こしました。この事件を受けて、在外公館や米国人が武装勢力の脅威にさらされた場合に、迅速に展開し保護活動を行う部隊が求められるようになりました。

2013年4月にアメリカ海兵隊は、MV-22Bオスプレイを使用して自力で展開可能な危機対応特別目的海兵空地任務部隊を創設することを発表しました。この部隊は、アフリカ地域に展開する危機対応特別目的海兵空地任務部隊-アフリカ（SPMAGTF-CR-AF）と協力し、中東地域における米国の関心と安全を確保する役割を果たすこととなります。

部隊は、在外公館の保護に特化した訓練を重視しており、武装勢力だけでなく、暴徒化した無武装の地元住民に対しても非致死的な手段で鎮圧する訓練が行われています。

部隊の編成

この部隊は約2,000人で構成されており、大佐が指揮を取ります。地上戦闘部隊、航空戦闘部隊、そして兵站戦闘部隊という3つの要素で成り立っています。地上戦闘部隊は歩兵大隊を中心に構成されていますが、戦車や水陸両用装甲車を保有しない軽歩兵部隊として活動しています。

航空戦闘部隊は、MV-22Bオスプレイを搭載した海兵中型ティルトローター飛行隊と、KC-130J空中給油・輸送機、F/A-18D戦闘攻撃機が含まれ、必要に応じて地上部隊を支援します。

実際の任務

2019年12月末から2020年1月にかけて発生したバグダッドにおけるアメリカ大使館の襲撃事件において、SPMAGTF-CR-CC所属の部隊が展開されました。派遣されたのは、第1海兵師団第7海兵連隊第2大隊の約100名と、MV-22Bオスプレイを運用する第3海兵航空団第161海兵中型ティルトローター飛行隊です。彼らは、クウェートから大使館保護のために緊急出動しました。

まとめ

危機対応特別目的海兵空地任務部隊-中央軍は、迅速に危機に対応するための特殊な能力を持つ部隊であり、その存在はアメリカの国際的安全保障において重要な役割を果たしています。今日の国際情勢に照らしても、その機能と役割はますます重要となっているのです。

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