厚木海軍飛行場

厚木海軍飛行場

厚木海軍飛行場（あつぎかいぐんひこうじょう）は、神奈川県の綾瀬市と大和市にまたがって存在する軍用飛行場で、アメリカ海軍と海上自衛隊が共同利用している重要な基地です。県内では唯一の固定翼ジェット機が離着陸可能な施設であり、航空管制は海上自衛隊によって行われています。

概要

この飛行場は、アメリカ海軍の空母ロナルド・レーガン（USS Ronald Reagan, CVN-76）の艦載機が拠点を置く一方で、海上自衛隊にもいくつかの航空隊が活動しています。広大な施設は総面積約506.9ヘクタールで、そのうち約78%は綾瀬市に位置しており、残りが大和市にあります。

名称の由来

通称としては厚木基地、厚木飛行場と呼ばれ、アメリカ軍内では「Naval Air Facility Atsugi」として知られています。決定的な由来は不明ですが、過去に「大和」との関連を避ける意図があったのではないかという説や、周囲の地名から命名されたという説があります。特に「愛甲郡厚木町」が名前の由来になったとの指摘がありますが、正式には不明のままです。

沿革

帝国海軍時代

1938年に着工し、1942年に完成した厚木飛行場は、東京に近い海軍の重要な航空拠点として位置づけられました。主に帝国海軍の航空隊が配備され、太平洋戦争の重要な防空地点として機能しました。戦争末期の1945年、日本の降伏に際し厚木航空隊が反乱状態に陥る様子が見られましたが、その後、連合国軍が接収することとなります。

アメリカ軍の管理

戦後、厚木はアメリカ陸軍の管理下に置かれ、さまざまな部隊が駐留しました。1949年に一時閉鎖されたものの、朝鮮戦争が勃発するやいなや、再度軍事拠点として復活しました。その後、アメリカ海軍が中心となり、固定翼機の使用が続けられ、現在に至るまで多くの飛行機が駐留しています。

現在の利用状況

厚木飛行場は、海上自衛隊とアメリカ海軍の航空機が共に使用しているほか、さまざまな訓練や派遣活動が行われています。海上自衛隊の航空隊は、主に哨戒や救助任務を担当しており、アメリカ海軍の部隊も同様に役割を果たしています。最近では、F-35Bなどのステルス機がこの基地に進出するなど、その重要性は増しています。

騒音問題

周辺地域に対する騒音問題が持ち上がっており、防音工事や訴訟が数多く行われています。その中でも、特に夜間の離着陸訓練が地域住民に多大な影響を与えているとして、さまざまな対策が講じられています。過去には、航空機の移転や訓練移設が検討されましたが、反対運動によって実現しなかったケースも多いです。

地域との関わり

厚木海軍飛行場は、地域との関係も深く、年に数回の基地公開イベントを通じて市民との交流を図っています。また、周辺自治体は基地の存在に依存しながらも、その影響に対して敏感に反応しています。利用状況や騒音対策に対する意見も多様で、多くの議論が絶えません。

アクセス

厚木海軍飛行場へのアクセスは、相鉄本線のさがみ野駅や相模大塚駅から徒歩で行くことができ、またバスも利用可能です。このように、交通も整備されているため、基地に関心のある方々が訪れることもあります。

このように、厚木海軍飛行場は単なる軍事施設ではなく、地域との関わりや歴史的な背景を持つ多面的な存在です。

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