原憲一 (ジャーナリスト)

原 憲一（はら けんいち）

1947年（昭和22年）5月27日、岡山県備前市に生まれる。ジャーナリスト、そして実業家として知られ、現在はRSKホールディングスの会長を務めている。

キャリアの始まり

1970年、当時の山陽放送（RSK）にアナウンサーとして入社し、主にニュースや報道番組のキャスターとして活動した。その後、RSKラジオのディレクターを務めていた時期には、岡山刑務所内で放送される番組において、ディスクジョッキーを担当する受刑者への指導にも力を注いだ。ラジオからテレビ部門へと異動し、RSKテレビ報道部では、ハンセン病療養所への取材など、社会性の高いテーマに取り組んだ。

中東での報道活動

1990年にはTBS報道局へ出向し、JNNカイロ支局長に就任。中東地域を拠点に、激動の時代における重要な出来事を現地から伝えた。特に、イラクによるクウェート侵攻を発端とする湾岸戦争では、最前線での取材活動を展開。戦争の状況や、その影響を伝える数々の報道に携わった。この時期、湾岸戦争による大規模な重油流出事故が発生。油まみれになった海鳥たちの悲惨な状況を取材した際、CNNの記者と共に、アジア人のジャーナリストとして唯一現場に立ち会った経験は特筆される。

「報道特集」司会と経営者へ

カイロ支局長としての任期を終え帰国後も、引き続きTBSテレビで報道に携わり、『JNN報道特集』の総合司会を約2年間にわたり担当し、その顔として広く知られるようになった。

その後、古巣である山陽放送へ復帰。ジャーナリストとしての経験を活かしつつ、経営の道を歩み始める。取締役報道制作局長、常務取締役といった要職を歴任した後、2011年には代表取締役社長に就任し、会社の経営トップとして指揮を執った。社長退任後は取締役会長を務め、長期にわたり山陽放送の運営に深く関与した。

持株会社体制への移行と現在

2019年、山陽放送は認定放送持株会社体制へと移行。これに伴い設立されたRSKホールディングスの初代会長に就任し、現在に至る。長年にわたる報道現場での経験と、経営者としての手腕をもって、放送局グループの発展に貢献している。

著書

『戦場特派員―湾岸戦争を伝えたテレビ取材の舞台裏』（蒼洋社、1995年）
『踏ん張れ地方局 片隅からのジャーナリズム』（山陽新聞社、2021年）

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