原田進

原田進：日本のCIデザインをリードする第一人者

原田進氏は、日本のグラフィックデザイン界において、CIデザイン（コーポレートアイデンティティデザイン）の第一人者として広く知られています。福岡県出身の彼は、1947年生まれ。長年にわたり、数多くの企業のブランド構築に携わり、その活動は国内外に及びます。

輝かしいキャリア：国際的な経験と実績

原田氏のキャリアは、1965年、筑陽学園高校産業デザイン科卒業後、馬場利定氏に師事したことから始まります。その後、独立してフリーランスとして活動を開始し、1975年にはサンフランシスコアカデミー・オブ・アート大学広告デザイン学科を卒業。さらに、リッピンコット&マーギュリーズ社（ニューヨーク）やミナリ・タターズフィールド&パートナーズ社（ロンドン）といった世界的に有名なデザイン会社での勤務経験も積んでいます。こうした国際的な経験は、彼のデザインアプローチに深みと幅をもたらしました。

1979年にはプラット大学大学院環境デザイン学科に在籍しましたが、中退しています。1980年には株式会社PAOSに入社するも、翌年には退社し再びフリーランスとして活動。そして1984年、自身の会社であるプラクシス株式会社を設立しました。1992年には福岡オフィスも開設し、事業を拡大させています。

幅広いクライアントと多様なプロジェクト

原田氏が手がけたCIプロジェクトは実に400社以上に及びます。そのクライアントは、パイオニア、ファミリーマート、メグミルクなど、製造、小売、建築、金融、メディア、通信、交通、流通、エネルギー、教育機関、自治体など、多岐にわたる分野に広がっています。

彼のデザインは、単なるロゴやシンボル作成にとどまりません。企業理念や文化、そして市場環境を深く理解した上で、長期的な視点に立ったブランド戦略を提案し、企業のアイデンティティを明確に表現するデザインを提供することに定評があります。単なるデザインではなく、企業の成長を支える戦略パートナーとしての役割を担っていると言えるでしょう。

教育への貢献

デザイン活動に加えて、原田氏は教育活動にも積極的に取り組んでいます。2006年には日本カウンセリングカレッジ専門課程アライアント国際大学・カリフォルニア臨床心理大学院日本校でMAを取得し、心理学的視点を取り入れたデザインへの理解も深めています。

著作活動

原田氏は数冊の著書も出版しています。代表的なものとしては、『CIデザイニング：企業イメージ創造のプロセス』（実務教育出版）、『企業ブランドデザイニング』（実務教育出版）、『社長さん!つべこべいわずにパソコンはMACを使いなさい』（明日香出版社）などがあり、CIデザインに関する専門知識だけでなく、ビジネスパーソンへの鋭い提言も展開しています。これらの著作は、多くのデザイナーや企業経営者にとって貴重な知識源となっています。

まとめ

原田進氏は、国際的な経験、幅広いクライアント実績、そして教育活動を通して、日本のCIデザイン界に大きな貢献を果たしてきた人物です。彼のデザイン哲学とキャリアは、現代の企業ブランド戦略を考える上で、重要な指針となるでしょう。彼の活動は、今後も多くの企業やデザイナーに影響を与え続けるものと期待されます。

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