原田金一郎

原田金一郎の経歴と業績

原田金一郎（はらだ きんいちろう、1947年6月1日生まれ）は、日本の経済学者であり、特にラテンアメリカ経済の研究に注力したことで知られています。彼は青森県三戸郡名久井村（現在は名川町）で生まれ、1972年に神戸大学経済学部を卒業しました。その後、1978年には同大学の大学院経済学研究科博士課程を修了し、同年に「周辺資本主義論序説：ラテンアメリカにおける資本主義の形成と発展」に関する論文で博士（経済学）の学位を取得しました。

原田氏は1978年に大阪経済法科大学に講師として就職し、以降助教授、教授と昇進し、1999年に教授職に就任しました。長年にわたり、彼は経済学の教育と研究に従事し、多くの学生に影響を与えてきました。

専門分野と著書

原田金一郎の専門は、ラテンアメリカ経済に特化した研究です。彼の著作には、1997年に出版された『周辺資本主義論序説 ラテンアメリカにおける資本主義の形成と発展』を始めとする多くの重要な書籍が含まれています。この書籍は、ラテンアメリカにおける資本主義の発展やその特徴を分析し、地域の経済的な背景を探究したものです。

2004年には『周辺部としてのラテンアメリカを歩く 中米、カリブ、ペルー紀行30 years』を発表し、30年間のラテンアメリカの旅を通じて得た知見を綴りました。また2010年には『貧困からの脱出 ペルー,ビジャ・エルサルバドル市の体験』を発表し、特にペルーの事例を通じて貧困問題についての考察を行っています。

さらに、共編著として『転換期の中米地域 危機の分析と展望』を1990年に出版し、加茂雄三や細野昭雄とともに中米の経済的危機について分析を行っています。

翻訳と論文

原田氏は翻訳者としても活動しており、サミール・アミンの著作を多く翻訳しました。例えば、1979年に翻訳した『世界的規模における資本蓄積 第2分冊 (周辺資本主義構成体論)』や、1981年に翻訳した『新国際価値論争 不等価交換論と周辺』などがあります。また、ホセ・カルロス・マリアテギの『ペルーの現実解釈のための七試論』を1988年に翻訳するなど、ラテンアメリカ経済に関する重要な作品を日本語に紹介しています。

原田氏の影響

原田金一郎は、その学問的業績を通じて、ラテンアメリカ経済の理解を深めることに貢献し、経済学界における地位を確立しました。彼の研究は、経済学を学ぶ学生や専門家、さらには一般の読者に対しても重要な知識源となっています。彼の著作を通じて、ラテンアメリカの経済的背景や資本主義の構造を知ることができ、地域の理解を深める手助けとなるでしょう。今後も彼の研究成果が広く受け入れられ、さらなる研究が進展することが期待されます。

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