厳島神社 (釧路市)

厳島神社についての詳細

厳島神社（いつくしまじんじゃ）は、北海道釧路市に位置する神社で、多くの地元住民にとっての守護神として親しまれています。この神社は、旧社格が県社であり、訪れる人々には「釧路一之宮 厳島神社」という御朱印が授与されます。神社は、知人岬に近い台地の上に東向きに鎮座しており、境内には米町公園が隣接しています。

祭神

厳島神社では、次の7柱の神々を祀っています。市杵島姫命、阿寒大神（あかんのおおかみ）、金刀比羅大神、秋葉大神、稲荷大神、猿田彦大神、海津見大神です。この中で、市杵島姫命は「弁財天」または「弁天さま」として広く知られています。また、阿寒大神は雄阿寒岳と雌阿寒岳を霊峰とする山の神で、元々はアイヌの神であるアカンカモイとされ、地域の信仰の源でもあります。

その他の神々もそれぞれ特定の役割を持ち、航海の安全や豊漁を願う神として信仰されています。秋葉大神は厄除けや開運を祈願する神であり、稲荷大神と同様に商売繁盛を願う神ともされています。さらに、猿田彦大神は道祖神として道の守護を担っています。なお、過去には熊野大神も祭られていたことがあります。

由緒

厳島神社の起源は、文化2年（1805年）にさかのぼります。当時、アイヌを用いて漁業と交易を行っていた佐野孫右ェ門が、安芸国の厳島社から分霊を勧請し、神社を創建しました。その後も、釧路に移住した和人たちが道外から神々を勧請し、神社の発展に寄与しました。初めて神社が記録に登場するのは文化6年の『東行漫筆』で、神々が祀られていたことが記載されています。

明治20年（1887年）には、社殿が米町にある金毘羅堂に移され、さらに明治24年に現在の社地に社殿が新築されました。この神社は、明治24年に郷社、さらに大正12年（1923年）に県社に昇格し、昭和40年（1965年）には釧路護国神社が境内に創祀されました。

祭事

例祭は毎年7月15日に行われており、明治34年からは春祭（5月17日）と秋祭（10月17日）が行われるようになりました。これらの祭りは、地元の人々による熱心な参加があり、豊漁と豊作を願う重要な行事となっています。

社殿

社殿の本殿は明治24年に建立された三間社流造で、拝殿は昭和27年に新たに建設された入母屋造平入の構造を持っています。境内には、龍神祠や稲荷祠、釧路護国神社があります。

文化財

この神社には、北海道指定の文化財である円空仏（観音菩薩坐像）があります。寛文6年（1666年）から翌年にかけて滞在していた円空の手によるもので、この仏像はもともと現豊浦町にあった洞窟内に安置されていました。昭和52年には北海道有形文化財に指定されています。

厳島神社は、地域の信仰心の象徴として、多くの人々に支えられながらその歴史を重ねています。そして、今日もその神聖な場を訪れる人々にとって、心の平安をもたらす場所であり続けています。

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