友鶴 (水雷艇)

友鶴（水雷艇）

友鶴（ともづる）は、日本海軍に所属する水雷艇であり、千鳥型の3番艇として知られています。ロンドン軍縮条約の影響を受け、当時の艦艇の中ではミニ駆逐艦と形容されるほど重武装でした。しかし、その高い性能が災いし、1934年には演習中に転覆事故を起こす「友鶴事件」が発生しました。この事故は100名もの犠牲者を出し、その後の改善工事を余儀なくされました。

艇歴の概要

友鶴は、1932年11月11日に舞鶴要港部工作部で起工し、1933年10月1日に進水。翌年の1934年2月24日に竣工し、佐世保鎮守府に属することとなります。そして第21水雷隊に編入されました。

友鶴事件

1934年3月12日の早朝、友鶴は佐世保港外での夜間訓練中に荒天に見舞われ、転覆するという事故が発生しました。この事故により、100名の乗組員が犠牲となりました。事故発生の約10時間後、友鶴は発見され、佐世保警備戦隊の旗艦「龍田」によって曳航されました。翌朝、艦艇は佐世保に帰還し、救助隊によって艇内から10名の生存者が救出されました。

調査の結果、友鶴の設計には復原性に関する問題が指摘され、改善工事が必要とされました。この工事は佐世保海軍工廠で行われ、1935年5月には修理が完了し、復原性能向上が実施されました。また、同型の千鳥型水雷艇についても1936年に改善工事が行われ、類似の問題への対応が進められました。

戦間期からの活動

改修後の友鶴は1936年12月から中国方面に進出し、上陸支援や封鎖作戦などに従事しました。太平洋戦争の勃発後は、南方への攻略作戦や船団護衛に活躍することになります。特に1942年にはN攻略部隊の一員として西部ニューギニアの戡定作戦に従事しました。

この時期、友鶴は軽巡洋艦「鬼怒」や水上機母艦「千歳」、駆逐艦「雪風」、「時津風」と共に様々な作戦に参戦しました。1943年に入ると、陸軍の杉浦支隊を護衛し、重要な輸送任務を遂行しましたが、途中で爆撃を受けて損傷し、犠牲者も出る事態となりました。友鶴はその後、曳航されながらも任務を遂行し続けました。

沈没

1945年3月24日には、カナ304船団の護衛中に米国の空母艦載機からの攻撃を受け、沈没に至りました。友鶴の艦生涯は、艦艇としてさまざまな任務に従事した証であり、その後の海軍艦艇の設計や運用における教訓を残しました。同年5月10日に正式に除籍されました。

歴代艇長

友鶴の指揮を執った艇長は次の通りです。

• - 岩瀬奥市 大尉（艤装員長）：1933年10月1日 - 1933年12月18日
• - 岩瀬奥市 少佐（水雷艇長）：1933年12月18日 - 1934年3月12日（殉職）
• - 鈴木保厚 大尉：1935年2月28日 - 1936年12月1日
• - 牧野坦 少佐：1936年12月1日 - 1938年6月20日
• - 渋谷龍穉 少佐：1938年6月20日 - 1938年12月15日
• - 井上磯次 少佐：1938年12月15日 - 1939年10月5日
• - 荒悌三郎 大尉：1939年10月5日 - 1940年4月1日
• - 杉原与四郎 大尉：1940年4月1日 - 1941年4月10日
• - 菅明次 少佐：1941年4月10日 -

このように、友鶴は日本海軍において重要な役割を果たした艦艇であり、その歴史から多くの教訓が得られました。

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