反動

反動（はんどう）とは

反動は、歴史や政治において使われる用語であり、主に改革や革新に反対する姿勢や行動を指します。この用語は、特に左翼勢力によって右翼勢力への批判的な文脈で使われることが多く、「保守反動」や「右翼反動」といった言い回しがその例として挙げられます。一方で、革新に対抗する「革新反動」という表現は存在せず、これは革新が基本的に「進歩主義」と見なされるためです。

反動の歴史的背景

反動という言葉は、フランス革命後の反革命勢力を指す「反動派」（フランス語: réactionnaires）から派生しました。この用語が日本に紹介されたのは明治時代のことで、政治学用語として定着しました。反動の歴史的な著名な例の一つとして、1884年のテルミドールの反動が挙げられます。この事件では、ジャコバン派の独裁者ロベスピエールが穏健な共和派によって打倒され、反動の名の下に新たな政治的秩序が形成されました。

マルクス主義と反動

マルクス主義の観点から見ると、人間社会は資本主義から社会主義、さらには共産主義へと発展するという流れがあります。この流れに逆行する動きは反動主義とされ、社会民主主義、社会主義、および共産主義の立場からは、帝国主義やファシズムが代表的な反動の象徴とされています。特に、一党独裁体制を持つ共産主義国では、「反動」との烙印を押された人々が粛清されることもありました。

ナチスと反動

ドイツのナチスは自らを反動的と捉えなかったものの、右翼的革新としての立場を強調しました。彼らは、国家の意義を重視し、プロイセンの君主や貴族、カトリック教会を敵とみなしました。ナチスは1933年に選挙を経て国民革命を推進したが、その理念には独善的な解釈が色濃く見られました。更には、彼らは伝統や民俗学、古典思想を理想として理想化しましたが、ワイマール共和国の民主的制度を否定し、自らを「第3帝国」と名乗りました。

現代における反動

現代の政治情勢においては、アメリカにおけるオルト・ライトやリバタリアニズムの一部に、封建主義（feudalism）を志向する新反動主義が見られます。また、反動の概念は復古主義やウィーン体制、アンシャン・レジーム、革命家、逆コースなどと関連深いものです。これらの歴史的経緯や用語は、反動という概念を理解する上での重要な要素となります。

まとめ

反動とは、改革や革新に対抗する立場や行動を示す言葉であり、歴史的、政治的文脈において多様な意味合いを持っています。その背景には、革命、政治的闘争、そして思想の変遷が存在し、反動の考え方は時代とともに進化しているのです。

もう一度検索