反差別国際運動とは？意味をやさしく解説

反差別国際運動（IMADR）について

反差別国際運動（The International Movement Against All Forms of Discrimination and Racism；IMADR）は、1988年に部落解放同盟の呼びかけによって設立された、日本を拠点とする国際人権NGOです。部落差別をはじめとするあらゆる形態の差別と闘うことを目的とし、国内外で幅広い活動を展開しています。

設立と組織

IMADRは、部落解放同盟の中央執行委員長であった上杉佐一郎氏が初代理事長を務めました。上杉氏の退任後は名誉理事長となり、その後は武者小路公秀氏が名誉理事長を継ぎました。現在の共同代表理事は、組坂繁之氏とスリランカ人弁護士のニマルカ・フェルナンド氏です。事務局長は西島藤彦氏が務めています。また、松本龍氏が顧問を務めていました。

組織の運営には部落解放同盟との密接な関係が見られ、理事や幹事にも同盟関係者が多数含まれています。本部は東京都中央区にあり、部落解放同盟中央本部と同じ場所に位置しています。海外にはスリランカとジュネーブに事務所を構え、国際的な活動を推進しています。

国連との関わり

1993年、IMADRは日本発祥の人権NGOとして初めて、国際連合との協議資格を取得しました。これは、人権問題に取り組む日本のNGOにとって画期的な出来事でした。しかし、国連NGO資格の取得までには、様々な困難がありました。設立当初、部落解放同盟による暴力事件や利権問題が指摘され、全国部落解放運動連合会や部落問題研究所（部落研）などの団体が、IMADRの国連NGO資格取得に反対しました。これらの団体は国連NGO委員会に代表者を派遣し、IMADRの資格認可に反対する通告書を提出しましたが、最終的にIMADRは国連NGO委員会から認可を得ました。

「解同」暴力糾明裁判

IMADRの国連NGO資格取得を巡っては、「解同」暴力糾明裁判と呼ばれる訴訟が起こりました。部落解放同盟は、IMADRの国連NGO資格に反対していた部落問題研究所などを名誉毀損で提訴しました。裁判は部落解放同盟に不利な状況で進んでいましたが、国連NGO委員会の審議方法が変更されたことが転機となりました。それまで全員一致制だったものが多数決制に変更され、その直後にIMADRがロスター（NGO資格取得の最初の段階）に登録されました。この結果を受けて、部落解放同盟は提訴を取り下げました。部落問題研究所は、この訴訟を威圧目的の不当なスラップ訴訟であると批判し、「解同暴力糾明裁判」への勝利集会を行いました。

活動内容

IMADRは、部落差別をはじめ、人種差別、民族差別、ジェンダー差別など、あらゆる形態の差別撤廃を目指して活動しています。国際連合をはじめとする国際機関との連携を通じて、人権侵害の是正を求めています。また、差別に関する教育や啓発活動、調査研究、政策提言など、多岐にわたる活動を展開しています。

外部リンク

IMADRは、差別撤廃に向けた取り組みを推進する重要な組織です。今後もその活動が注目されます。

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