古川卓巳

古川卓巳：映画とテレビドラマで活躍した映像の巨匠

古川卓巳（ふるかわ たくみ、1917年3月27日 - 2018年10月4日）は、日本の映画監督であり、本名は岩崎卓己です。香港では戴高美（タイ・カオメイ）という名義で活動していました。彼は、映画監督としてだけでなく、テレビドラマの演出家としても、その才能を発揮しました。

生い立ちと初期のキャリア

1941年に日活に入社した古川卓巳は、映画界でのキャリアをスタートさせました。当初は監督ではなく、助監督などの立場で経験を積んでいたと考えられます。1955年、彼は『地獄の用心棒』で監督デビューを果たしました。この作品は、三國連太郎が主演を務めたことで知られています。

『太陽の季節』の大成功と香港映画への進出

1956年、古川は石原慎太郎の同名小説を映画化した『太陽の季節』を監督し、大きな成功を収めました。この作品は、若者たちの衝動的な行動を描いたもので、当時の社会に大きな衝撃を与え、古川の名前を広く知らしめました。同年には、岩橋邦枝の小説を基にした『逆光線』も監督しています。1967年には、「戴高美」名義で香港に渡り、『黒鷹』と『風流鉄漢』という2本の映画を制作しました。この時期の古川は、国際的な視点を持つ映像作家としての活動を積極的に展開していたことが伺えます。

テレビドラマへの進出

1960年代からは、映画だけでなくテレビの世界でも活躍しました。『東京バイパス指令』（1968年 - 1970年、日本テレビ放送網・国際放映製作）や、『鬼平犯科帳』（1969年、NETテレビ、8世松本幸四郎版第1シリーズ）といった人気テレビドラマの演出を手掛け、その才能を多岐にわたって発揮しました。これらの作品は、古川の演出家としての幅広さを示すものと言えるでしょう。

多彩な監督作品

古川卓巳は、数多くの映画を監督しています。初期の作品には、『地獄の用心棒』、『若き魂の記録 七つボタン』、『顔役』などがあります。また、『太陽の季節』や『逆光線』といった話題作も手がけています。その他にも、『沖縄の民』、『人間魚雷出撃す』、『私は前科者である』、『反逆者』、『九人の死刑囚』など、幅広いジャンルの作品を監督しています。

1960年代には、『麻薬3号』、『血の岸壁』、『獣のいる街』、『逃亡者』、『海は狂っている』、『大学の暴れん坊』といった作品を制作しています。また、『俺は欺されない』、『白い閃光』、『借りは返すぜ』、『コルトが背中を狙ってる』、『明日に向って突っ走れ』、『兇悪の波止場』、『野獣の門』などの作品も監督しました。さらに、『姿なき追跡者』、『ブルータウン 青い街の狼』、『青い街の狼』、『銃弾の嵐』、『望郷の海』、『海の鷹』、『俺は地獄の部隊長』、『拳銃残酷物語』、『死にざまを見ろ』、『ギャングの肖像』といった作品も手がけています。香港での活動では、『黒鷹 Black Falcon』と『風流鉄漢 Kiss and Kill』を監督しています。

テレビドラマの演出

古川は、テレビドラマの演出でも活躍しました。『特ダネ記者』、『秘密指令883』、『剣』、『37階の男』などの作品で演出を担当し、その才能を発揮しました。特に、『東京バイパス指令』、『右門捕物帖』、『鬼平犯科帳』では複数話を担当しており、彼の演出家としての力量が伺えます。その他にも、『女殺し屋 花笠お竜』、『旗本退屈男』、『大忠臣蔵』、『浮世絵 女ねずみ小僧』、『ウルトラマンA』といった作品の演出も担当しました。

晩年と死去

2018年10月4日、古川卓巳は心不全のため、101歳で亡くなりました。彼の映像作品は、今も多くの人々に愛され続けています。

外部リンク

古川卓巳 - 日本[[映画データベース]]
Takumi Furukawa - IMDb（英語）

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