古書店街

古書店 街とは

古書店街とは、古書店が密集している地域を指す言葉です。多くの場合、歴史のある大学周辺に形成され、学生街としての側面も持ち合わせています。近年では、地域おこしの一環として、意図的に古書店街が作られるケースも見られるようになりました。

古書店街の形成には、いくつかのパターンが見られます。

大学周辺の自然発生的な形成: 歴史のある大学の周辺には、学生や研究者向けに専門書や学術書を扱う古書店が集まりやすく、自然と古書店街が形成されることが多いです。これらの地域では、学術的な需要に加え、学生や卒業生が古本を求めて集まることで、独特の文化が育まれます。
地域おこしとしての形成: 1980年代後半以降、ヨーロッパを中心に地域おこしの手段として古書店街が形成されるケースが見られます。これは、古書という文化的な価値を活かし、観光客誘致や地域活性化を目指すものです。

世界の古書店 街

世界には、様々な特徴を持つ古書店街が存在します。以下に、その代表的な例をいくつか紹介します。

日本

神田古書店街（東京都千代田区神田神保町）: 世界最大規模の古書店街として知られています。多くの店が北向きに建てられており、これは店頭の書籍が日焼けするのを防ぐための工夫です。学術書から漫画まで、幅広いジャンルの古書が取り扱われています。
本郷古書店街（東京都文京区本郷）: 学術書専門店が多いことで知られています。東京大学をはじめとする大学が近くにあることから、学術的な需要が高い地域です。
早稲田古書店街（東京都新宿区西早稲田）: 早稲田大学の周辺に広がる古書店街です。学生向けの書籍や専門書が多く、活気のある雰囲気があります。
阪急古書のまち（大阪府大阪市北区）: 阪急東宝グループの創業者・小林一三の構想によって作られた企業主導の古書店街です。商業施設内に位置し、他の古書店街とは異なる雰囲気を持ちます。

イギリス

チェアリング・クロス・ロード（ロンドン）: ロンドンを代表する古書店街の一つで、多くの古書店が軒を連ねています。様々なジャンルの書籍が扱われており、観光客にも人気があります。
ホウバン（ロンドン）: チェアリング・クロス・ロードと並ぶ古書店街です。専門書を扱う店が多いことが特徴です。
ヘイ・オン・ワイ: 「古書の聖地」とも呼ばれる古書を核とした街おこしで成功した先駆的な例です。街全体が古書店街となっており、多くの観光客が訪れます。
ウィグタウン: スコットランドにある本の街で、古書店や本の関連会社が多く、ブックフェスティバルも開催されます。

アジア

開封書店街（中国開封市）: 中国の古都である開封市にある古書店街です。歴史的な書籍や文化的な資料が多く扱われています。
福州路（中国上海市）: 上海にある古書店街です。近代的な雰囲気の中で、様々なジャンルの書籍が販売されています。
公館・温羅汀書店街（台湾台北市）: 台湾大学のそばに位置する書店街。以前は牯嶺街古書店街や重慶南路書店街も有名であったが、21世紀には衰退している。
宝水洞本屋通り（韓国釜山）: 韓国の釜山にある古書店街で、歴史的な書籍や珍しい本を見つけることができます。

ヨーロッパ

ルデュ（ベルギー）: 過疎の村で始まった本のイベントをきっかけに古書店が集まるようになった場所です。毎年の本の祭典は多くの人々が訪れます。
ベシュレル、モントリュー、Fontenoy-la-Joûte（フランス）: フランスには、ルデュのように古書店が集まる町がいくつかあります。これらの町は、地域文化の中心として機能しています。
スラヴェイコフ広場（ブルガリア、ソフィア）: ブルガリアの首都ソフィアにある古書店街で、地元の文化に触れることができます。

アメリカ

ブック・ロー（ニューヨーク）： かつて存在した古書店街。家賃の高騰により衰退した。
テレグラフ通り（カリフォルニア州バークレー）： カリフォルニア[[大学バークレー校]]の隣接する通りにある古書店街です。学生や研究者向けの本が中心です。
ハーバードスクエアからニューベリー通り（マサチューセッツ州ケンブリッジ）： ハーバード[[大学]]やマサチューセッツ工科[[大学]]などの名門大学が近くにあることから、学術書を扱う古書店が多い地域です。

アフリカ・中東

Souk Edabaghine, Souk El Koutbiya（チュニジア、チュニス）： チュニス旧市街のスークにある古書店街です。歴史的な背景から独特の雰囲気を持ちます。
ムタナビ通り（イラク、バグダッド）： バグダッドにある古書店街で、9世紀から続く歴史を持ちます。文化人の交流の場として親しまれています。

古書店 街の文化的意義

古書店街は、単に古本を売買する場所としてだけでなく、地域の文化を形成する上で重要な役割を担っています。古書という文化的な資源を通じて、歴史や知識が受け継がれ、人々の交流が生まれています。

古書店 街の今後

近年、デジタル化の波が押し寄せる中で、古書店街のあり方も変化を迫られています。しかし、古書が持つ独特の魅力や、地域コミュニティとのつながりは、今後も重要であり続けるでしょう。