古林見宜

古林見宜（ふるばやし けんぎ）は、天正7年（1579年）に生まれ、明暦3年9月17日（1657年10月24日）に没した、江戸時代前期の著名な医師です。初め道芥（どうがい）と名乗り、後に正温（せいおん）と改名しました。桂庵（けいあん）または寿仙坊（じゅせんぼう）という号も用いました。

生涯と業績

古林見宜は、播磨国飾磨（現在の兵庫県姫路市）で生まれました。赤松氏則の子孫と伝えられています。彼の祖父は名医であり、明に留学して医学を修めたことが、見宜が医学の道を志すきっかけとなりました。若くして京都に上り、曲直瀬正純（まなせ しょうじゅん）に師事し、主に朱丹渓（しゅたんけい）や張仲景（ちょうちゅうけい）が提唱した新東洋医学を学びました。

その後、摂津国の大坂（現在の大阪府大阪市）に医療所を開設し、地域医療に貢献しました。同時期に、嵯峨野（現在の京都市右京区）において、同門であった堀杏庵（ほり きょうあん）らと共に学舎を開設し、後進の育成にも力を注ぎました。見宜の門人は3000人にも及ぶとされ、その中には松下見林（まつした けんりん）や、養子である古林知足（ふるばやし ちそく）などがいます。多くの門下生を育て、医学の発展に大きく貢献しました。

彼の医学的な知識や臨床経験は、多くの人々に信頼され、その名は広く知られました。また、教育者としても優れており、門下生たちは彼の教えを受け継ぎ、各地で活躍しました。

大正13年（1924年）には、その功績が認められ、従五位を追贈されました。

主な著作物

『日記中棟方』
『外科単方』

これらの著作物は、当時の医学の知識や技術を伝える貴重な資料となっています。特に『外科単方』は、外科治療に関する具体的な方法や薬の処方などが記されており、当時の医療水準を知る上で重要な文献です。

古林見宜は、医師としてだけでなく、教育者としても多大な貢献をしました。彼の教えを受けた門下生たちは、各地で医療活動に従事し、その知識と技術を広めました。彼の功績は、日本の医学史において重要な位置を占めています。

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