松下見林

松下見林（まつした けんりん）

松下見林は、寛永14年（1637年）に生まれ、元禄16年（1704年）に没した江戸時代前期の学者です。彼は国学、儒学、医学の分野で才能を発揮し、多岐にわたる業績を残しました。

生涯

見林は摂津国大坂（現在の大阪市）で、医者の子として生まれました。幼い頃から父から古文を学び、それがきっかけで古林見宜に医学を師事します。その後、京都へ出て医師として活動する傍ら、儒学や歴史学も深く研究しました。彼の学問は和漢の知識を融合したもので、多くの著書を出版し、その見識は高く評価されました。

見林は讃岐に移り、高松藩主の松平頼常に仕え、政治にも関与しました。没後、明治30年（1897年）には、その功績が認められ従四位が追贈されています。彼の墓は京都市上京区の大雄寺にあります。

主な著作

見林は多くの著作を残しており、中でも『異称日本伝』は彼の代表作として知られています。この書物は、元禄元年（1688年）に刊行され、明から清代、高麗から李氏朝鮮にかけての蔵書を参考に執筆されました。当時の日本に関する情報を詳細に記述した貴重な文献です。

『異称日本伝』: 見林の代表的な著書。日本の異称や地理、歴史について詳細に記述。
『三代実録』: 歴史書の研究。
『公事根源集釈』: 公事に関する研究。
『習医規格』: 医学に関する著作。


松下見林は、医学、儒学、国学に通じ、その知識を著述活動や藩政に活かした多才な人物でした。彼の学問に対する真摯な姿勢と幅広い知識は、後世の学者たちに大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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