古田織部美術館

古田織部美術館

古田織部美術館は、京都市北区にあり、茶道具や古美術、歴史資料を中心に展示しています。特に、古田織部（重然）にゆかりのある品々が多く集められています。この美術館は、京都鷹峯太閤山荘内に2014年4月に開館し、2016年には北山通沿いのビルの地下に移転しました。隣には表千家北山会館があり、茶道に興味がある人々にとって絶好のロケーションと言えるでしょう。

美術館は、茶道具専門の古美術商であり、古田織部研究家でもある宮下玄覇氏の収集品を基に運営されています。館内では、常時4〜50点の展示が行われており、その中には古田織部の史料、織部好みの桃山陶器、そして絵茶碗を含めた多様な茶道具が揃っています。特に目を引くのは、本阿弥光悦や伊達政宗といった著名な茶人に関連する品々や、豊臣秀吉に関する歴史的な資料、またキリシタン遺物や膨大な茶書なども収蔵されている点です。

美術館では年に2、3回の企画展も行っており、来館者に新しい発見を提供しています。さらに、敷地内の坪庭には、織部好みの織部灯籠が設けられ、古文書をもとに復元された織部好みの団子つくばいも見られます。展覧会に合わせてブックレットも定期的に発行され、訪れるたびに新たな情報が得られます。特に2016年からは隔年で行われている織部賞も注目されています。

また、館長である宮下氏が主宰する「温知会」では、近隣の鷹峯太閤山荘を拠点とした古田織部流茶道教室も開催しており、参加者が茶道の技術を学べる機会を設けています。さらに、2021年には姉妹館として樂焼玉水美術館が誕生し、さらなる文化の交流が促進されています。

展示品の例としては、古田宗屋（織部）と春屋宗園筆の勘返状や、古田織部作の竹尺八花入（銘「韮山」）、黒織部六波文茶碗、織部好芽張の柳蒔絵黒大棗などが揃っています。これらは来館者にとって、江戸時代の茶道具や文化にふれる貴重な機会を提供しています。特に、豊臣秀吉所持の高麗銀箔押乾漆虎枕や、織田信長の茶会記は訪問者にとって歴史の深さを感じさせるアイテムです。

利用案内

古田織部美術館の開館時間は9時30分から17時までで、最終入館は16時40分までとなっています。月曜日は休館日であり、展示替え期間中の約5日間も閉館します。入館料は大人500円、大学生・高校生400円、中学生以下300円、団体の場合（15人以上）は100円引きとなっています。

所在地

京都市北区上賀茂桜井町107-2 B1に位置し、交通の便も良好です。地下鉄烏丸線北山駅から徒歩3分、京阪出町柳駅からはタクシーで約8分です。

美術館での体験は、茶道具だけでなく歴史的な背景を学ぶ上でも非常に有意義であり、訪れる価値が十分にあるスポットです。

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