古野電気

古野電気株式会社

古野電気株式会社（ふるのでんき）は、兵庫県西宮市に本社を構える電機メーカーで、主に船舶向けの電子機器を製造しています。特に、総合舶用電子機器市場において、世界シェアの15%を誇る最大手企業として知られています。

沿革と成長

同社の歴史は1938年に遡ります。この年、長崎県口之津町（現在の南島原市）で古野電気商会が設立され、漁船の電気工事やラジオの修理などを行っていました。そして、1948年には世界初の魚群探知機の実用化に成功し、長崎市に合資会社古野電気工業所を設立。この成功が、古野電気株式会社への道を切り開くこととなります。

1955年に株式会社として設立された後も、同社は革新を続け、1961年にはネットゾンデ（世界初のモデル）を開発。1964年には本社を長崎から兵庫県西宮市へ移転し、1965年にはネットレコーダーの開発に成功しました。珍しい技術の開発を重ねていく中で、1972年には全米舶用電子機器協会から最優秀メーカー賞を受賞し、日本初のドップラソナーを開発します。

その後も同社は1986年に世界初の海鳥探知機を開発し、1987年にはビデオロランを発売。2013年には東証1部に上場し、2017年には三菱重工関連のETC車載器事業を譲り受けるなど、成長を続けています。最近では、2020年にプロバスケットボールチーム・西宮ストークスとのパートナー契約を締結し、2021年には「魚群探知機の日」を制定しました。

主な製品と技術

古野電気の主要な製品には、魚群探知機、ソナー、潮流計、オートパイロット、船速計、無線機器、GPS/GNSSチップやモジュール、ETC2.0車載器などがあります。特に魚群探知機は、同社が業界でトップを確立した重要な製品であり、古野清孝氏と清賢氏による開発物語は、NHKでも取り上げられるほど有名です。

また、最近の技術革新の一環として、新しい生化学自動分析装置や超音波骨密度測定装置も開発しており、事業の多角化を図っています。さらに、GPSマーカー「Dog Navi」や、沿岸モニタリングシステム、気象観測システム、地盤変位観測システムなど、多様な製品ラインを展開しています。

所在地と関連会社

本社は兵庫県西宮市の芦原町にあり、その他、三木市に工場を持ち、東京支社や関東支店も設けています。また、全国に営業所を持ち、各地域での販売とサービスを行っています。関係会社にはフルノ関西販売株式会社やフルノ九州販売株式会社、協立電波サービス株式会社など、さまざまな企業が存在します。

古野電気株式会社はその歴史と技術革新を通じて、今後もマリンエレクトロニクスの分野でのリーダーシップを維持し続けることでしょう。

もう一度検索