口之津町

口之津町（くちのつちょう）

長崎県の島原半島に位置していた口之津町は、南高来郡に属し、船員の町として知られていました。しかし、2006年3月31日に周辺の7町と合併し、南島原市となり、その歴史に幕を閉じました。

地理

口之津町は、島原半島の南端に位置し、豊かな自然に囲まれていました。町内には、以下の特徴的な地形や自然がありました。

山:
富士山（ふるさと富士）
烽火山（のろしやま）
半島:
早崎半島
河川:
貝瀬川
与茂作川（よもさくがわ）
港湾:
口之津港
海域:
白浜海岸
早崎海峡（早崎瀬戸）
岬:
天狗鼻
瀬詰崎
小早崎
白間崎
土平崎
宮崎鼻
断層:
口之津断層

隣接する自治体としては、南高来郡の加津佐町と南有馬町がありました。

歴史

口之津町は、近現代において、その歴史が大きく動きました。特に三井三池炭鉱の石炭積出港として発展したことは、町にとって重要な出来事でした。しかし、三池内港が完成すると、その役割を終え、衰退の一途をたどりました。

1889年（明治22年）4月1日: 町村制施行により、南高来郡口之津村が単独で発足。
1928年（昭和3年）4月1日: 口之津村が町制を施行し、口之津町となりました。
2006年（平成18年）3月31日: 加津佐町、南有馬町、北有馬町、西有家町、有家町、布津町、深江町と合併し、南島原市が発足。これにより、口之津町は自治体としての役割を終えました。

地域

口之津町では、地名を「名」を行政区域としていました。1889年の町村制施行時に単独で自治体として発足したため、大字はありませんでした（発足当初は口之津村）。

また、口之津町では、「名」の名称を十干に置き換えて表記することがありました。

甲 / 町名（まちみょう）
乙 / 早崎名
丙 / 西大屋名
丁 / 東大屋名

町内は、以下の地区に分けられていました。

行政

口之津町の最後の町長は、三原松朗氏でした。

警察は口之津警察署がありましたが、現在は南島原警察署となっています。

教育

町内には、以下の教育機関がありました。

海上技術学校:
国立口之津海上技術学校 - 独立行政法人海技教育機構所管
高等学校:
長崎県立口加高等学校
中学校:
口之津町立口之津中学校
小学校:
口之津町立口之津小学校

また、研究機関としては、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 果樹研究所カンキツ研究口之津拠点がありました。

交通

口之津町には、以下の交通手段がありました。

道路:
国道251号
国道389号
鉄道:
島原鉄道（旧町内全区間は2008年3月31日限りで廃止）
東大屋駅
口之津駅
白浜海水浴場前駅
バス:
島鉄バス
長崎県営バス（旧町内全区間は2007年3月31日限りで廃止）
タクシー:
口之津観光タクシー
フェリー:
島鉄フェリー
口之津港 - 鬼池港（熊本県天草市）

町内に空港はありませんでしたが、最寄りの空港は長崎空港でした。

名所・旧跡・観光スポット

口之津町には、歴史や自然を感じられる多くの名所・旧跡・観光スポットがありました。

旧長崎税関口之津支署庁舎
白浜キリシタン墓碑
口之津公園
開田公園
南蛮船渡来の地
瀬詰崎公園
早崎自然公園
シーサイドパーク
口之津灯台
瀬詰崎灯台
白浜海水浴場
イルカウォッチング

口之津町出身の著名人

永野万蔵（カナダへ移住した最初の日本人）

その他

観測施設として、アメダス地域気象観測所（降水量、気温、風向・風速、日照時間）、検潮所がありました。

参考文献

角川日本地名大辞典 42 長崎県
長崎県南高来郡町村要覧．下編「口之津村」（1893年）国立国会図書館デジタルコレクション

関連項目

長崎県の廃止市町村一覧

外部リンク

口之津町役場のホームページ - ウェイバックマシン（2006年2月13日アーカイブ分）
* 雲仙地域合併協議会ホームページ（2006/04/26アーカイブ） - 国立国会図書館Web Archiving Project

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