可児御嵩バイパス

可児御嵩バイパス

可児御嵩バイパスは、岐阜県可児郡御嵩町の井尻地区から、可児市の中恵土地区までを結ぶ、総延長約8.0キロメートルの国道21号線の重要なバイパス道路です。

概要と役割

このバイパスは、主要幹線道路である国道21号の現道が抱える交通渋滞の緩和、道路利用者の安全確保、沿道環境の改善、そして地域経済の持続的な発展支援を目的として計画され、整備が進められました。特に、東海環状自動車道へのアクセスを担う可児御嵩インターチェンジへの接続ルートとしての役割は大きく、広域交通ネットワークにおける重要性が高い路線です。

道路構造と現状

本バイパスは、最終的には片側2車線、合計4車線での供用を目指して設計されています。開通当初の多くの区間は暫定的に片側1車線で運用されていましたが、将来の4車線化を見越した構造で建設されています。交通量の増加に対応するため、段階的な拡幅工事が進められており、これまでに一部の区間では既に4車線での供用が開始されています。具体的には、2018年3月には可児御嵩インターチェンジ東側の区間から瀬田交差点までが、また2021年2月には御嵩町上恵土から可児市中恵土にかけての区間が、さらに2022年3月には御嵩町内の区間の一部がそれぞれ4車線化され、交通容量の向上が図られています。

沿線の状況と期待される効果

バイパス沿いには、生活必需品を取り扱う大型ドラッグストアやホームセンターといった商業施設が立地しており、地域住民の生活利便性を高めています。また、国内外から多くの観光客が訪れる「ぎふワールド・ローズガーデン」への主要なアクセスルートとしても機能しています。特に、バラの開花時期にあたる春の大型連休などには、観光客の利用が増加し、交通量が多くなる傾向があります。

本バイパスの完成とアクセス性の向上は、沿線地域への新たな企業の誘致や事業拡大を促進する効果が期待されています。さらに、岐阜県が生んだ国際的な人道支援家である杉原千畝氏の功績を紹介する杉原千畝記念館など、地域の歴史・文化施設や観光地への来訪者増加にも繋がり、地域の活性化に貢献すると見込まれています。

事業の沿革

可児御嵩バイパスの整備事業は、1991年度に開始されました。その後、以下のように段階的に開通が進み、全線が暫定開通に至りました。

2005年3月19日：御嵩町内の古屋敷地区から可児市の柿田地区（可児御嵩インターチェンジ周辺）までの約1.9キロメートル区間が開通。
2005年4月29日：可児御嵩インターチェンジから可児市中恵土地区までの約2.4キロメートル区間が開通。
2010年10月30日：起点の御嵩町井尻地区から、2005年に開通した御嵩町古屋敷地区までの約3.7キロメートル区間が開通。これにより、可児御嵩バイパスは暫定的な片側1車線ながら全線が開通しました。

全線開通後も、交通量の増加に対応するため、順次4車線化工事が実施されています。

2018年3月16日：可児御嵩インターチェンジ東から瀬田交差点までの上下線が4車線化。
2021年2月26日：御嵩町上恵土（上恵土本郷東交差点）から可児市中恵土（上恵土本郷西交差点）までの約0.8キロメートル区間が4車線化。
2022年3月28日：御嵩郡御嵩町の南山団地入口交差点からみたけの森口交差点までの約0.6キロメートル区間が4車線化。

接続路線

可児御嵩バイパスは、起終点で国道21号の現道に接続するほか、以下の主要道路とも接続しています。

国道21号現道（可児郡御嵩町井尻、可児市中恵土）
岐阜県道83号多治見白川線（御嵩町古屋敷）
東海環状自動車道可児御嵩インターチェンジ（可児市柿田）
岐阜県道381号多治見八百津線（可児市柿田）
* 岐阜県道122号・愛知県道186号御嵩犬山線（御嵩町上恵土）

このバイパスの整備により、地域の交通利便性は大きく向上し、周辺地域の発展に寄与しています。

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