可愛い子猫と思ったら

トムとジェリー：可愛い子猫と思ったら

1952年4月19日に公開された『可愛い子猫と思ったら』(Triplet Trouble)は、ウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラ監督によるトムとジェリーの短編アニメーション作品です。フレッド・クインビーが製作、スコット・ブラッドリーが音楽を担当し、ケネス・ミューズ、エド・バージ、レイ・パターソン、アーヴン・スペンスらが作画を担当しています。

ストーリー

いつものようにジェリーを捕まえ、楽しんでいたトム。そこに、お手伝いさんが近所の人から預かった3匹の子猫を連れてきます。お手伝いさんはトムにクリームを買ってくる間、子猫たちの面倒を見るように頼んで出かけます。

一見、可愛らしくおとなしい子猫たちですが、実はいたずら好き。お手伝いさんが留守中、トムをいたずらで苦しめ、トムが自分たちをいじめたかのように偽装します。そのため、トムはお手伝いさんに叱られてしまうのです。

理不尽な扱いを受けたトムは仕返ししようとしますが、子猫たちは巧みにトムを翻弄し、逆にトムを困らせます。この状況を面白そうに見ていたジェリーも、子猫たちの標的になります。最初は子猫たちの行動を嘲笑っていたトムとジェリーですが、ついに怒りが頂点に達し、共闘を決意します。

作戦開始。ジェリーが子猫たちのミルクを顔に吹きかけると、子猫たちは激怒。そこに、サービングカートに乗ったトムが登場。カートは戦闘機のように変形し、パイやスイカを「爆撃」として子猫たちに投げつけます。

見事な連携プレーで子猫たちを翻弄するトムとジェリー。最後は子猫たちをカートごと庭の回転式物干し竿に落とします。そこへ、クリームを買って戻ってきたお手伝いさん。庭から聞こえる物音に気づき、子猫たちがジェリーに布団たたきで尻を叩かれている光景を目撃することになります。

本作は、トムとジェリーが協力して敵に立ち向かう数少ない作品の一つであり、彼らの珍しい共闘が見どころです。

登場キャラクター

トム: 子猫たちのいたずらに翻弄されますが、ジェリーと協力して反撃します。
ジェリー: 子猫たちにうんざりしますが、トムと協力して反撃します。
3匹の子猫: お手伝いさんが預かった子猫たち。一見可愛らしいですが、悪賢く、トムとジェリーをいたずらで苦しめます。彼らは1949年公開の『天国と地獄』にも登場しています。
お手伝いさん: 子猫たちを預かり、クリームを買いに出かけます。最後に子猫たちがトムとジェリーに懲らしめられているのを見ます。

作品のポイント

この作品は、トムとジェリーの珍しい協力関係、子猫たちの予測不能ないたずら、そして、ドタバタ劇とユーモアのバランスが見事に取れた傑作です。可愛らしい子猫たちに隠された悪賢さ、そしてトムとジェリーのまさかの共闘は、観る者に驚きと喜びを与えてくれます。1949年の『天国と地獄』にも登場した子猫たちの再登場も、ファンには嬉しいポイントと言えるでしょう。 トムとジェリーのキャラクター性を活かしつつ、予想外の展開と笑いを詰め込んだ、何度でも楽しめる作品となっています。

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