台北捷運321型電車

321型電車について

321型電車（C321型電車と呼ばれることもあります）は、台北市内の大衆交通を担う通勤型電車です。この電車は、台北都会区大衆捷運系統（台北捷運）で広く利用されています。

概要

321型電車は、ゴムタイヤ式の文湖線以外の路線で運用されている高運量の通常規格電車です。この車両は、301型電車の次にあたる2世代目のモデルです。新たに開業する中和線、新店線、南港線に備えて、合計で36編成、すなわち72組、216両が導入されました。製造は、シーメンス（現シーメンス・モビリティ）が担当しています。実は、1990年代末から2000年代初頭にかけて、シーメンスが展開した都市鉄道車両のためのコンセプトモデル『Modular Metro（モジュラー・メトロ）』がデザインに採用されています。これにより、現代的で効率的なデザインが実現されています。

製造の一部は、シーメンスの子会社であるオーストリア・ウィーンを拠点にするSimmering-Graz-Pauker AG（SGP Verkehrstechnik）によって行われています。この国際的な製造体制により、高品質なとともに、最新の技術が取り入れられた電車が実現しています。

配備の由来

321型電車の形式名は、台北市政府捷運工程局による機電工程入札番号から生まれたものです。具体的には、新店線に関してはCH321、中和線はCC361、南港線はCN331という番号が用いられています。しかし、これらの形式名と実際の車両番号は必ずしも一致しないため注意が必要です。さらに、その後の配備の再編成に伴い、現在は板南線に専属運用されています。

設計と内装

321型電車の前面は白いFRP素材で仕上げられており、これは川崎重工業が製造した301型電車との重要な違いです。内装に関しては、先代のモデルと大きな違いはなく、標準的なデザインが特徴です。更新工事の際には、次世代モデルである341型電車と同様に、転落防止策を導入し、行先案内表示をフルカラーLEDに変更するなどの改修が行われました。

編成の詳細

321型電車は、制御電動車、中間付随車、中間電動車の3両のユニットを連結し、2ユニットを組み合わせた6両編成（4M2T）で構成されています。車両の号車表示は便宜的なもので、奇数が「xx」号車、偶数が「yy」号車を示しています。特筆すべきは、117/118編成が2014年に起きた通り魔事件の現場となったため、その後、生まれ変わる形で175/176編成に改番され、運用に戻ったことです。

このように、321型電車は台北の交通インフラの重要な一翼を担い、利用者に快適かつ安全な移動手段を提供しています。さまざまな機能とともに、都市の顔とも言えるこの電車は、一度乗ってみる価値があるでしょう。

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