台南神社

台南神社の歴史

台南神社（たいなんじんじゃ）は、日本統治時代の台湾、台南州台南市南門町二丁目（現在の中西区）に建立された神社です。祭神は、北白川宮能久親王でした。能久親王は、日清戦争後の台湾平定作戦中に、この地で薨去されました。

創建までの経緯

台南神社は、北白川宮能久親王が亡くなった場所を記念して創建されました。当初、この地は台湾における神社の中心となる台湾神社（後の台湾神宮）の候補地の一つでしたが、最終的に台湾神社は台北に創建されました。その後、当地は台湾神社の遥拝所として管理され、1920年（大正9年）に台湾総督府が社殿の建設に着手しました。1923年（大正12年）10月27日、社殿が完成し、無格社として鎮祭されました。この時代、台南神社は台湾神社の所管に属し、職員が派遣されていました。

官幣中社への昇格

1925年（大正14年）10月31日、台南神社は官幣中社に昇格しました。例祭は、能久親王の命日である10月28日に行われ、台湾神社と同様でした。1926年（大正15年）には、能久親王の未亡人である北白川宮大妃富子が台南神社を参拝されました。

廃社と現状

第二次世界大戦後、日本が敗戦すると、台南神社は廃社となりました。その後、中華民国軍が台湾に進駐し、台南神社は台南市忠烈祠となりました。1972年（昭和47年）には、日本と台湾が断交したことを受け、民国政府が「日本統治時代の帝国主義的なものを全て取り除く」という命令を発令。これにより、台南神社跡地は大幅な改変を受け、体育場となりました。

現在、台南神社のかつての事務所は市定古跡に指定されています。旧址は体育場の移転後、台南市11号公園と忠義国民小学となりました。2005年（平成17年）には、小学校の校舎新築工事の際に、神社時代の橋（戦後は「成功橋」と命名）が地下30cmの場所から発見され、修復工事が行われました。2019年1月27日には、旧址である11号公園に台南市美術館2館が開館しました。

皇族の参拝

台南神社および北白川宮御遺跡所時代には、多くの皇族が参拝されました。参拝の際には、前後の日程で台湾神宮（台湾神社）を参拝される事例が多かったようです。

北白川宮御遺跡所時代

1901年（明治34年）11月4日 - 北白川宮大妃富子
1908年（明治41年）10月25日 - 閑院宮載仁親王
1910年（明治43年）6月17日 - 北白川宮家の輝久王
1917年（大正6年）10月26日 - 北白川宮成久王、同妃房子内親王
1920年（大正9年）10月25日 - 久邇宮邦彦王、同妃俔子
1923年（大正12年）4月20日 - 皇太子裕仁親王
1925年（大正14年）6月2日 - 秩父宮雍仁親王

台南神社時代

1926年（大正15年）4月10日 - 高松宮宣仁親王
1926年（大正15年）10月30日 - 北白川宮大妃富子
1927年（昭和2年）11月1日 - 朝香宮鳩彦王

参考文献

台南神社社務所 編『台南神社誌』台南神社社務所、1928年3月。
『臺灣鐡道旅行案内』（昭和十五年版）

関連項目

台南
台湾の神社
国家[[神道]]
近代社格制度

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