台湾の政党

台湾の政党制の歴史と現状

台湾の政党制は、1948年の戒厳令を背景に中国国民党（国民党）の一党独裁体制が長らく続いた。しかし、1970年代後半から反国民党の動きが高まり、1986年には台湾初の本格的野党として民主進歩党（民進党）が登場した。今回の記事では、台湾における政党制の発展を振り返り、その現状について詳述する。

歴史的背景

戦後の台湾は、中国国民党の支配下にあり、新たな政党の設立は禁止されていた。このため、国民党の衛星政党である中国青年党と中国民主社会党のみが存在を許されていた。しかし、1980年代に入ると、国民党に対する反発が強まり、徐々に「党外」と呼ばれる反政府的な勢力が結集していった。

特に1986年には民進党の結党が行われ、当時の政権はこの動きを黙認する姿勢を示した。翌1987年の戒厳令解除とともに、民進党もようやく合法的に活動を開始することができた。この時期に、政党活動の法的基盤として「動員戡乱時期人民団体法」が制定され、新たな政党の設立が可能になった。

民主化の進展

1991年には、新たな法律により政党の設立が正式に認められることとなり、1992年に行われた立法委員選挙で初めて新党が議席を獲得した。このようにして、台湾は次第に複数政党制を確立していった。その後、1996年には住民直接選挙による総統選挙が導入され、国民党の一党支配は終焉を迎えることとなる。

2000年には民進党の陳水扁が総統に選出され、国民党の長期的な支配が打破された。しかし、その後も政治情勢は変わり、2008年の総統選挙では国民党の馬英九が当選し、再び政権を奪還した。2016年には民進党の蔡英文が当選し、再び政権に返り咲くこととなる。

現状の政党制

2000年代に入ると、多党制はさらに発展し、国民党と民進党の他にも新党、親民党、台湾団結連盟などが登場したものの、選挙制度の変化により小政党は厳しい状況に置かれることとなった。2008年の選挙から立法委員の定数が削減され、小選挙区制が導入されたことは、二大政党制を一層強化する結果となった。

近年では、台湾民衆党などの第三勢力も台頭しており、新たな動きが注目されている。これにより、今後の台湾における政党制はさらなる変容を遂げる可能性がある。

まとめ

台湾の政党制は、戒厳令の下での一党独裁から、民主化を経て現在の多党制へと様々な変遷を経てきた。国民党と民進党による二大政党制が定着する中、地域や世代の多様性を反映した新たな政治勢力の台頭が期待される。今後の台湾の政党制がどのように進化していくのか、引き続き注目が集まる。

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