台湾共産党

台湾共産党について

台湾共産党は、1928年4月15日、上海のフランス租界で結成された。日本統治下における台湾人の政治運動の中でも最左翼に位置するこの政党は、コミンテルンの指導と支援のもとで設立された。正式名称は「日本共産党台湾民族支部」であり、その狙いは台湾の独立と共和国の建設である。

この日、式典には台湾人の主要メンバーである謝雪紅と林木順をはじめとした7名、中国共産党からの代表澎栄、朝鮮からの共産主義者呂運亨を含む9名が出席した。台湾共産党の綱領は、日本共産党によって起草され、中国共産党の承認を受けたものであった。内容としては、日本の支配を明確に否定し、台湾の自主性を求めるものであった。具体的には「台湾民族の独立」と「台湾共和国の建設」を掲げた。

しかし、活動初期から台湾共産党は地下運動を強いられることとなる。特に、当時左派勢力が影響力を持っていた台湾文化協会や農民組合を中心に活動が推進されたが、その影響力は限られていた。1929年2月21日、台湾総督府は台湾文化協会、農民組合、そして台湾共産党に対して大規模な検挙を実施し、これにより左派は大きな打撃を受けた。

加えて、1931年6月6日には台湾共産党の主要幹部が一斉に逮捕される事態となり、これにより台湾共産党は設立からわずか3年で活動を停止せざるを得なくなった。こうした動きは、台湾における社会運動の抑圧を象徴する出来事であり、共産党の悲運を物語っている。

台湾共産党の活動の終了は、ただの一つの政党の運命にとどまらず、台湾の政治的風土、ひいては社会運動全体にも影響を与えた。台湾共産党の影響を受けたその後の運動においては、台湾の独立を求める声がさらに強まり、それは後の台湾民主自治同盟や台湾労働党などの政党にも引き継がれていくことになる。

また、参考文献として「台湾－四百年の歴史と展望」や「図説台湾の歴史」などがあり、これらは台湾の歴史的背景や共産党運動の意義についての理解を深めるために役立つ資料である。台湾共産党は、歴史の中でその存在を忘れ去られることなく、今でも台湾の政治を考える上で外せない重要な要素と言えるだろう。

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