台湾総督府内務局

台湾総督府内務局

台湾総督府内務局は、日本統治時代の台湾において、地方行政を管轄した重要な内部部局です。その前身は、1895年（明治28年）に台湾総督府民政局に設置された内務部に遡ります。その後、組織改編を繰り返しながら、名称も内務部、総務局、内務局、地方部と変遷しました。

概要

内務局の歴史は、台湾総督府の設置とともに始まりました。当初は民政局の一部門として内務部が設けられましたが、1897年（明治30年）に一旦廃止されます。その後、1901年（明治34年）に民政部に総務局が設置され、1909年（明治42年）には内務局へと改編されました。しかし、1911年（明治44年）には内務局が廃止され、新たに地方部が設置されます。1919年（大正8年）には地方部が廃止され、再び内務局が設置されるというように、その組織は時代とともに変化しました。最終的に1942年（昭和17年）には総務局に改編されましたが、1943年（昭和18年）に行政組織の整理により廃止され、その業務は総督官房と新設の鉱工局に移管されました。

沿革

1895年（明治28年）

5月：台湾総督府民政局に内務部が設置され、庶務課、警保課、土木課が置かれました。
8月：組織改編により、庶務課、逓信課、警保課、土木課の四課体制となりました。

1896年（明治29年）

県治課、警保課、監獄課の三課体制となりました。

1897年（明治30年）

11月：内務部が廃止され、民政局に県治課、警保課などが置かれるようになりました。

1898年（明治31年）

6月：民政局が民政部へと改編されました。

1901年（明治34年）

11月：民政部に総務局が設置され、外事課、地方課、法務課、学務課、図書編修官が置かれました。

1909年（明治42年）

10月：総務局が内務局に改編され、庶務課、地方課、警察課、法務課、学務課、衛生課が置かれるようになりました。

1911年（明治44年）

10月：内務局が廃止され、地方部が設置されました。地方課、地理課が置かれました。

1919年（大正8年）

地方部には、地方課、地理課、社寺課の三課が置かれるようになりました。
6月：地方部と学務部が廃止され、内務局が再び設置されました。社寺課、地方課、学務課、編修課、地理課が置かれました。
8月：民政部が廃止され、台湾総督府内務局となりました。

1920年（大正9年）

9月：社寺課、州庁課、市街庄課、学務課、編修課、地理課の六課体制となりました。

1924年（大正13年）

12月：土木課、地方課、文教課の三課体制となり、測候所を所掌しました。

1926年（大正15年）

10月：文教課が独立し、文教局が設置されました。

1931年（昭和6年）

この年の設置課は、地方課、地理課、土木課の三課でした。

1941年（昭和16年）

この年の設置課は、地方課、地理課、土木課、兵事防空課の四課でした。

1942年（昭和17年）

11月：内務局が総務局に改編され、総務課、審議室、地方課、物資動員課、労政課、統計課が置かれました。

1943年（昭和18年）

12月：行政機構の整理により総務局が廃止されました。

機構

最終の組織

廃止時の組織は以下の通りです。

総務局
総務課
審議室
地方課
物資動員課
労政課
統計課

歴代局長・部長

歴代の局長・部長については、詳細な資料が限られているため、ここでは割愛します。

脚注

詳細な脚注については、参考文献をご参照ください。

参考文献

台湾総督府編『台湾統治概要』明治百年史叢書、原書房、1973年（昭和20年刊の複製）。
伊藤博文編『秘書類纂』台湾資料、明治百年史叢書、原書房、1970年（秘書類纂刊行会昭和11年刊の複製）。
岡本真希子『植民地官僚の政治史 - 朝鮮・台湾総督府と帝国日本』三元社、2008年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
『官報』

関連項目

* 朝鮮総督府内務局

もう一度検索