台湾総督府法院

台湾総督府法院について

台湾総督府法院は、日本統治下の台湾に設置された司法機関です。1895年の台湾総督府設置に伴い、近代的な司法制度を導入するために設立されました。その歴史は、台湾の司法制度の変遷を理解する上で重要な要素となります。

沿革

設立と初期の制度

1895年5月、台湾総督府が設置され、同年10月7日に「台湾総督府法院職制」が発令されました。これにより、台北に本院が置かれ、各地に11の支部が設けられました。当時の裁判制度は一審制であり、審判官が単独で刑事・民事訴訟を担当しました。

三審制の導入と変更

1896年7月15日、「台湾総督府法院条例」が施行され、高等法院、覆審法院、地方法院の三審制が導入されました。これにより、台湾各地に13の地方法院が設置され、高等法院と覆審法院は台北に置かれました。裁判官は判官と呼ばれ、各法院には検察官が配置されました。ただし、政治的な事案については、総督の権限で臨時法院を設置できる制度も設けられました。

1898年7月19日、「台湾総督府法院条例」が改正され、高等法院が廃止され二審制に変更されました。この改正で、地方法院は台北、台中、台南の3ヶ所となり、宜蘭と新竹の地方法院は台北地方法院の出張所となりました。その後、台中地方法院は一時的に台北の出張所となりましたが、1909年には再び独立した地方法院となりました。

1899年には、台湾総督府覆審法院の判決に対する大審院への上告を認める法案が提出されましたが、貴族院で否決され、実現には至りませんでした。

再び三審制へ

1919年8月8日、「台湾総督府法院条例」が改正され、再び三審制となりました。高等法院は覆審部と上告部に区分され、地方法院には支部と出張所が設置されました。また、臨時法院の制度は廃止され、その担当事案は高等法院上告部の管轄となりました。

1921年3月には、中国における日本領事裁判の控訴を台湾総督府高等法院覆審部で取り扱うこととなり、領事裁判の上級裁判所としての役割も担うようになりました。

1927年7月3日には、地方法院に単独部と合議部が設けられ、合議部では単独部の行った裁判の第二審事件を取り扱うことになりました。

1938年5月4日には、新竹支部が新竹地方法院に昇格し、新竹州がその管轄となりました。

戦時下の特例

1943年2月24日、裁判所構成法の特例として、第一審の民事刑事の特種事件について控訴を禁じ、直接上告を認める制度が導入されました。同年10月31日には、民事裁判の第一審の控訴が廃止され、地方法院または同支部の単独部の第一審に対する上告は、高等法院覆審部の管轄となりました。

組織

設立当初の組織

1895年10月には、台北の本院を中心に、宜蘭、新竹、苗栗など11の支部が設けられました。

三審制導入後の組織

1896年7月には、台北に高等法院と覆審法院が置かれ、各地に13の地方法院が設置されました。

二審制への移行後の組織

1898年7月には、覆審法院が台北に置かれ、地方法院は台北、台中、台南の3ヶ所となりました。台北地方法院には新竹と宜蘭の出張所が、台南地方法院には嘉義、鳳山、澎湖の出張所が設けられました。

再び三審制となった後の組織

1919年8月には、台北に高等法院の上告部と覆審部が置かれ、地方法院には台北、新竹、宜蘭、台中、台南、嘉義の支部と出張所が設けられました。

1943年7月の組織

1943年7月には、高等法院の上告部と覆審部が台北に置かれ、地方法院は台北、宜蘭、花蓮港、新竹、台中、台南、嘉義、高雄に設置されました。

検察官

検察官は法院検察局に所属し、検察局長が置かれました。これは当時の日本内地と同様の制度です。

検察局の組織は以下の通りです。

高等法院検察局
地方法院検察局
* 地方法院支部検察局

歴代法院長、検察官長

(詳細については、原文の情報を参照ください。)

脚注、参考文献、関連項目、外部リンク

(詳細については、原文の情報を参照ください。)


以上が、台湾総督府法院に関する詳細な情報です。この資料が、台湾の司法制度の歴史を理解する上で役立つことを願います。

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