台湾鉄路管理局DR2100型気動車

DR2100形気動車の歴史

DR2100形気動車は、かつて台湾鉄路管理局（台鉄）で運用されていた気動車です。この車両は、その前身であるキハ100形気動車から数々の変遷を経て、台湾の鉄道史にその名を刻みました。ここでは、DR2100形とその準同型であるDR2200形の歴史と特徴を詳しく解説します。

キハ100形気動車の誕生

DR2100形の前身は、1931年に台湾総督府鉄道が日本車輌製造から購入したキハ100形気動車です。この車両は、当時日本各地の鉄道に導入されていた「日車型ガソリンカー」の流れを汲む機械式ガソリン動車でした。全長17mで客用扉が2箇所、荷物室用扉が1箇所という構成でした。前面形状は、日車型特有の流線形ではなく、同時期に製造された国鉄キハ42000形気動車に似た半円形でした。しかし、キハ42000形が半室運転台で6枚窓であったのに対し、キハ100形は中央運転台で5枚窓でした。

キハ200形気動車

同じく川崎車輛で製造されたキハ200形気動車も、キハ100形と同様の車体形状でした。製造所の違いによって形式が分けられていました。キハ202は1933年に火災で焼失しましたが、翌年には車体を新造して復旧しています。1934年には両形式ともに増備され、キハ100形は5両、キハ200形は4両となりました。1937年には、キハ100形がホキハ2100形、キハ200形がホキハ2200形に改称されています。1941年には、1両がディーゼルエンジンに換装されましたが、第二次世界大戦中にホキハ100形1両、ホキハ200形2両が廃車されました。

戦後の再出発

戦後、残った6両は接収され、それぞれ25GA2100型、25GA2200型ガソリンカーと改番されました。台湾南部を中心に運用され、中型ガソリンカーと呼ばれていました。しかし、老朽化が進行したため、1956年にアメリカの援助により、エンジンを日本製DMH17ディーゼルエンジン（160HP）に、変速機を液体式変速機に換装しました。これにより、総括制御が可能になりました。また1957年には、形式が25DR2100型、25DR2200型ディーゼルカーと改番されました。

車体更新と変革

1960年には車体更新が行われ、前面が半円形から切妻形に改装され、貫通路が設置されました。台車もコイルバネ式に変更されました。しかし、1969年から1970年にかけて再度車体更新が行われ、DR2300型、DR2400型と共にDR2500型に類似した車体長19mの車体に載せ替えられました。エンジンもカミンズNHHB-600ディーゼルエンジン（200HP）に換装され、その後、35DR2100型、35DR2200型ディーゼルカーと改番され、実質的にDR2300型、DR2400型と同型車両となりました。

晩年と引退

1984年には、再び車体更新が行われ、窓がバス窓から一段上昇式に変更されました。その後も支線区の中心車両として活躍しましたが、冷房装置がないため、サービス向上のため日本製DR1000型に置き換えられ、1999年までに全車が廃車されました。

現存車両

現在、DR2102とDR2203は、廃車後に花蓮機務段台東機務分段に留置保管されていましたが、2018年6月に文化資産としての修復と展示のため台北機廠に搬入されました。これにより、これらの車両は台湾の鉄道史における貴重な遺産として保存されることになりました。

まとめ

DR2100形気動車は、その前身であるキハ100形から幾度もの改造を経て、台湾の鉄道輸送を支えた重要な車両です。その変遷は、台湾の鉄道技術の発展と、時代の変化を反映しています。現在では、一部の車両が文化財として保存されており、その歴史を後世に伝えています。

関連情報

• - 関連項目: 国鉄キハ42000形[気動車]]
• - 外部リンク: [台湾中央研究院「老臺灣素描」

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