台湾鉄路管理局EMU400型電車

EMU400型電車の概要

EMU400型電車は、1990年11月10日に営業運転を開始した台湾鉄路管理局（台鉄）の交流電車です。1980年代末の台鉄では、通勤輸送に客車が使用されていましたが、老朽化が進んでいました。そこで、乗降時間の短縮、所要時間の短縮、客室サービスの向上を目的として、南アフリカのユニオン・キャリッジ・アンド・ワゴン（Union Carriage & Wagon; UCW）で48両が製造されました。

導入当初は試運転でパンタグラフが上がらなくなるなどのトラブルも発生しましたが、1990年11月9日の試乗会を経て、翌日から営業運転を開始しました。登場時は通勤電車として運用され、その後、区間車として活躍しました。

引退までの経緯

EMU800型電車の増備に伴い、2013年から置き換えが開始されました。2014年7月には、わずか2編成8両のみが使用される状況となり、2015年2月末には、残っていた2編成も検査期限を迎えたため運用を終了し、同年3月に全車引退しました。

車両の特徴

外観は、同じユニオン社が製造したEMU200型（現EMU1200型）をベースにしています。4両編成（2M2T）で構成され、最大3編成（12両）まで連結可能です。

駆動方式は吊り掛け駆動で、モーターはイギリスのゼネラル・エレクトリック・カンパニー（GEC）製を採用しています。台車はアメリカのGSI製のTR53AとTR53Bを使用しています。

車内はロングシートで、座席は深緑色のビニール製です。蛍光灯カバーが設置されています。両開き2扉車で、ホーム高さの関係上、ステップが設けられています。車端部の一部側窓は上部が内倒れ式で開閉可能です。

台鉄の通勤車として初の冷房車であり、当時の台鉄普通車と比較して車内居住性が格段に向上しました。その結果、旅客からの評判も良く、その後の通勤電車のベースとなり、新型車両の導入が進むきっかけとなりました。

編成

各車両には以下の機器が搭載されています。

CONT：主制御器（抵抗器）

関連情報

台湾鉄路管理局
区間車

外部リンク

Union Carriage & Wagon Co. (Pty) Ltd - ウェイバックマシン（英語）

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