ユニオン・キャリッジ・アンド・ワゴン

ユニオン・キャリッジ・アンド・ワゴン（Union Carriage & Wagon、略称UCW）は、南アフリカ共和国ハウテン州ナイジェルに拠点を置く、鉄道車両製造会社です。1957年の設立以来、南アフリカ国内のみならず、国際市場においても重要な役割を果たしてきました。

歴史

設立当初、UCWの主な株主はコモンウェルス・エンジニアリング（51%）、バッド社（25%）、レイランド・モータース（12%）でした。しかし、1969年12月にはコモンウェルス社の保有比率が42%まで減少し、他の株主の持ち分も変動しました。その後、英米系外資企業が株式を国内企業へ徐々に売却し、2013年2月には国内のCTEグループ（Commuter Transport Engineering）の傘下となりました。

さらに、2016年4月にはフランスのアルストム社が親会社であるCTE株の51%を取得し、社名はAlstom Ubunyeとなりました。Ubunyeは、Unionのズールー語での表記です。このように、UCWは設立から現在に至るまで、幾度かの変遷を経てきました。

主な製造車両

UCWは、設立当初から南アフリカの鉄道会社トランスネット（旧スポールネット社）向けに多数の電気機関車を製造してきました。1964年には電気機関車（en:South African Class 5E1, Series 2）を受注し、その後も同社からの受注が続いています。2011年には、日本の東芝、三井物産と共同で鉱山鉄道向けの電気機関車（en:South African Class 15E）を受注するなど、国際的な協業も行っています。

1974年にはアンゴラやザンビアへの輸出を皮切りに、国際市場への進出を果たしました。1996年にはマレーシアのKTMコミューター向けにクラス82を受注し、2011年にはボンバルディア・トランスポーテーションと共同でハウトレインの車両を受注するなど、海外の鉄道会社からも高い評価を得ています。

特に台湾では、外交政策上の事情から台湾鉄路管理局がUCW製の車両を多く採用しています。以下に主なUCW製の台湾向け車両を記載します。

台湾鉄路管理局E100型電気機関車: ゼネラル・エレクトリック・カンパニー（GEC）との共同開発（1976年）
台湾鉄路管理局EMU200型電車（1987年）
台湾鉄路管理局EMU400型電車（1990年）
台湾鉄路管理局E1000型電車: GEC、現代精工との共同開発（1997年）

これらの車両は、台湾の鉄道輸送において重要な役割を担っています。

まとめ

ユニオン・キャリッジ・アンド・ワゴンは、設立から長年にわたり、南アフリカおよび国際市場において、多様な鉄道車両を製造してきた実績のある企業です。その歴史の中で、株主構成や企業体制の変化がありましたが、常に最新の技術を取り入れ、高品質な車両を提供することで、鉄道輸送の発展に貢献しています。

親会社がアルストム社となったことで、今後もその技術力と国際的なネットワークを活かし、更なる発展を遂げることが期待されます。

関連項目

南アフリカ共和国の鉄道
鉄道車両の製造メーカー一覧

外部リンク

Union Carriage & Wagon - ウェイバックマシン（2012年6月14日アーカイブ分）（英語）
CTE - Commuter Transport Engineering (CommuterTransportEngineering) - Facebook（英語）

もう一度検索