叶年央

叶 年央氏は、日本の俳優、そして声優として長年にわたり活躍した人物です。1949年3月19日に誕生し、かつては劇団NLTに所属して活動の礎を築きました。そのキャリアは多岐にわたり、テレビドラマ、舞台、テレビアニメ、そして洋画などの吹き替えと、幅広い分野でその才能を発揮しました。

テレビドラマ

テレビドラマの世界では、数多くの作品に出演し、脇を固める重要な役柄を多く演じました。特に、特撮シリーズ「秘密戦隊ゴレンジャー」には複数回登場しており、1975年放送の第8話ではスネークセンター職員として、また1976年放送の第73話ではイーグル隊員として出演し、物語を盛り上げました。1976年には「男たちの旅路」や「俺たちの旅」といった人気ドラマに、1978年には「別れて生きる時も」に出演しています。1980年代に入ると、1983年の「重婚」や「新ハングマン」に出演。さらに、1984年のNHK大河ドラマ「山河燃ゆ」では馬場一等兵役を務め、同年に放送された「事件記者チャボ!」では週刊誌記者役を演じるなど、硬派な作品からコメディタッチの作品まで、幅広いジャンルで存在感を示しました。

舞台

舞台作品への出演経験もあり、1981年には「ホテルZOO」という作品にその名を連ねています。テレビや映像作品での活躍と並行して、舞台の上でも役者としての活動を行っていました。

声優としての活動

声優としても、アニメーションや海外作品の吹き替えで多くのキャラクターに息を吹き込みました。その声質と演技力は、様々な作品世界に深みを与えました。

テレビアニメ

1970年代から1980年代にかけて、多くの著名なアニメシリーズに出演しました。1975年には、世界名作劇場シリーズの一作である「草原の少女ローラ」でサンタクロース役、同じく名作「フランダースの犬」では受付係役を担当しています。1977年にはSFアニメ「氷河戦士ガイスラッガー」に出演。また、不朽の名作「ルパン三世」のTV第2シリーズ（1978年から1980年放送）にも複数話にわたり参加しました。特に、歴史アニメの金字塔「ベルサイユのばら」（1979年）では、試合の見物人B、貴族、召使いなど、多様な役柄を演じ分け、作品世界のリアリティを支えました。1983年放送のSFアクション「スペースコブラ」にも出演しています。

吹き替え

洋画や海外ドラマの吹き替えにおいても、その声を聞くことができます。グレゴリー・ペック主演の古典SF映画「宇宙戦争」の日本語吹き替えに参加。イングリッド・バーグマン主演の心理サスペンス「ガス燈」では、テレビ朝日版の吹き替えキャストとして名を連ねています。また、シャーリー・テンプル主演の「テンプルちゃんの小公女」ではウィッカム卿の吹き替えを担当しました。特に有名な出演作としては、オードリー・ヘプバーン主演のミュージカル映画「マイ・フェア・レディ」があり、テレビ朝日版の吹き替えでフレディ・アインスフド=ヒル役の声を担当しました。

叶 年央氏は、テレビドラマでの確かな演技、舞台での経験、そしてアニメや吹き替えでの声の演技と、幅広いメディアで活躍し、日本の映像・演劇・声優界において、その確かな足跡を残しました。

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