叶神社

叶神社（かのうじんじゃ）

叶神社は神奈川県横須賀市の浦賀地区にある神社で、特に西浦賀と東浦賀の2つの社があります。これらの神社は同じく誉田別尊（応神天皇）などを祭神とし、古くから地域の人々に信仰されています。

西叶神社（西浦賀）

西叶神社は、誉田別尊、比売大神、息長帯比売命（神功皇后）を祭神としており、その起源は1181年にまで遡ります。伝説によると、北面武士出身の文覚上人が源頼朝と出会い、源氏再興を願い、上総の鹿野山にて修行をしました。彼はこの修行の成果として、八幡社を建立することを誓い、最終的に西浦賀に神社を建立しました。このようにして源氏の大願が叶ったため、文治2年（1186年）からは叶大明神と呼ばれるようになったと言われています。

別当寺の歴史

叶神社は江戸時代までは感応院西栄寺が別当寺として存在し、神官と僧侶の役割を兼ねていました。1868年に第69代法印玉応が別当住職を辞し、初代神官として西浦賀の神社に就任しました。現在の宮司は第75代目で、神職としては6代目にあたります。また、明治4年には西岸郷学校が設立され、1874年には西岸学舎と改名し、1898年には東浦賀にある乗誓寺と合併して浦賀小学校が設立されました。この学校は1875年から一年半の短期間、神奈川県第四号師範学校も併設していました。

社殿と祭事

西叶神社は天保8年（1837年）に社殿が焼失し、天保13年（1842年）に再建され、現在に至ります。この社殿は権現造りであり、彫刻装飾は安房国千倉出身の彫刻家、後藤利兵衛義光の手によるものです。

毎年9月15日には例大祭が行われており、この際には古くから伝わる「虎踊り」が奉納されます。この踊りは享保5年（1720年）から続くもので、県の指定無形民俗文化財に認定されています。

場所と交通アクセス

叶神社（西浦賀）の住所は神奈川県横須賀市西浦賀1-1-13で、京急本線の浦賀駅から徒歩で約15分の距離にあります。

東叶神社（東浦賀）

東叶神社は、正保元年（1644年）に西浦賀の叶神社を勧請して創建されました。江戸時代初期のこの神社も、長い間耀真山永神寺という真言宗の寺院を別当寺として持っていました。さらに、勝海舟が咸臨丸出航前に、この地で断食修行を行ったという伝説も残っています。

社殿と自然環境

東叶神社の社殿は関東大震災で倒壊し、その後昭和4年（1929年）に再建されました。また、神社周辺には浦賀城跡や神明社、稲荷社などがあり、県の天然記念物にも指定されています。特に「叶神社の社叢林」はその自然環境の保全が重要視されています。

アクセス

東叶神社の所在地は神奈川県横須賀市東浦賀2-21-25で、京急本線の浦賀駅から徒歩約18分です。

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叶神社はその歴史的背景や地域との共生を通じて、今も多くの人々に愛され続けています。また、近年では西叶神社と東叶神社が協力し、縁結びのお守りを作る新しい試みも行っており、これからの発展が期待されます。

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