司法試験委員会

司法試験委員会について

司法試験委員会は、日本の法務省に設置されている審議会の一つです。司法試験法第12条第1項に基づき設置され、司法試験及び予備試験の実施、法務大臣の諮問に応じた重要事項の調査審議、そして法務大臣への意見具申など、司法試験に関する重要な役割を担っています。

委員構成

委員会は、裁判官、検察官、弁護士、そして学識経験者の中から選ばれた7名の委員によって構成されています。委員の任期は2年で、委員長と委員長代理が選任されます。現在の委員は以下の通りです。

委員長：佐伯仁志（中央大学大学院法務研究科教授・東京大学名誉教授）
委員長代理：太田秀哉（弁護士）
委員：大沢陽一郎（読売新聞東京本社編集局総務）
委員：高橋美保（東京大学大学院教育学研究科教授）
委員：沖野眞巳（東京大学大学院法学政治学研究科教授）
委員：三角比呂（東京高等裁判所判事）
委員：佐久間佳枝（最高[[検察庁]]検事）

歴代委員長

過去には、以下の方々が委員長を務めています。

上谷清（弁護士、2004年1月 - 2006年1月）
高橋宏志（東京大学法学部教授、2006年1月 - 2012年1月）
山口厚（東京大学法学部教授、2012年1月 - 2017年4月）
神田秀樹（東京大学名誉教授、2017年4月 - 2020年1月）
佐伯仁志（中央大学大学院法務研究科教授、2020年1月 - 現在）

所掌事務

司法試験委員会の主な所掌事務は以下の通りです。

司法試験及び予備試験の実施
法務大臣の諮問に応じ、司法試験及び予備試験の実施に関する重要事項について調査審議
司法試験及び予備試験の実施に関する重要事項に関し、法務大臣に意見を述べること
その他法律によりその権限に属させられた事項を処理すること（旧司法試験の実施など）

司法試験考査委員

司法試験委員会の下には、司法試験考査委員が置かれています。考査委員は、試験問題の作成、採点など、試験の実施に関する実務を担当します。考査委員は、司法試験委員会の推薦に基づき、法務大臣が任命します。司法試験の合否判定は、考査委員会議の合議に基づき、司法試験委員会が決定します。考査委員は非常勤であり、会議の議事要旨は公開されるものの、会議自体は非公開です。受験生の間で「司法試験委員」と呼ばれる場合、多くはこの考査委員を指します。

新司法試験漏洩問題と対応

過去には、司法試験の問題が漏洩するという重大な事件も発生しています。2007年には、新司法試験において、慶應義塾大学の教授であり考査委員であった者が、試験問題を漏洩した疑いが持たれました。この事件では、得点調整などの特別な措置は取られませんでしたが、慶大生の正答率が他大学に比べて高いことが判明しました。また、2015年には、明治大学法科大学院の教授であり考査委員であった者が、交際相手の受験生に問題を漏洩する事件が発生しました。この事件では、考査委員の解任、受験生の不合格処分、元考査委員の刑事告発という厳しい対応がとられました。これらの事件を受け、2016年の司法試験では、法科大学院の現職教員が考査委員から除外されるなどの再発防止策が講じられました。

司法試験委員会は、司法試験の公正かつ円滑な実施を確保するために、重要な役割を担っています。過去の教訓を踏まえ、今後もより一層の試験運営の改善が求められます。

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