司馬道賜

司馬道賜（しば どうし）

司馬道賜は、生年不詳ながら415年または420年に没したとされる東晋の宗室であり、新蔡王の地位にありました。しかし、彼の出自は東晋の帝室の中では比較的低いものであったとされています。一説には、河間王の子であるとも伝えられています。

経歴

司馬道賜は、青冀二州刺史であった劉敬宣の下で参軍として仕えていました。義熙11年（415年）、劉裕が西征を行い、司馬休之を討伐しようとした際、道賜は密かに同府の閭道秀や左右小将の王猛子らと結託し、反乱を計画しました。道賜は自ら斉王を自称し、閭道秀を青州刺史に任じ、広固を拠点として兵を挙げ、司馬休之に呼応しました。

しかし、この反乱は悲劇的な結末を迎えます。劉敬宣は閭道秀を呼び出してその行動を詰問しようとしましたが、劉敬宣の側近たちは不在でした。その隙をついて、王猛子が劉敬宣の刀を奪い、劉敬宣を斬り殺してしまったのです。この事件については、同年4月乙卯に道賜自身が劉敬宣を殺害したとする説も存在します。事件後、すぐに文武の佐吏たちが道賜や王猛子らを討伐し、道賜はこの時に斬られたとも伝えられています。

司馬休之が劉裕に敗北すると、道賜は司馬休之らと共に後秦へ亡命しました。しかし、泰常2年（417年）に劉裕が北伐を行い、後秦を滅ぼすと、道賜は司馬休之らと共に北魏へ降伏しました。北魏の明元帝は彼を池陽侯に封じました。

しかし、道賜の反逆の血は収まることはありませんでした。泰常5年（420年）4月、彼は淮南侯司馬国璠（司馬叔璠の兄）と共に再び反乱を計画し、それが露見したため、ついに処刑されることとなりました。

司馬道賜の生涯は、反乱、亡命、そして再び反乱という波乱に満ちたものでした。彼の行動は、当時の政治情勢や人間関係の複雑さを物語っています。

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