司馬休之

司馬休之（しば きゅうし）

司馬休之（生年不詳 - 417年）は、東晋時代の皇族であり、字は季豫（きよ）。河内郡温県を本貫とする。西晋の譙王司馬遜（しば そん、司馬懿の弟の司馬進の子）を祖とする家系に生まれた。

生涯

司馬休之は、東晋の鎮北将軍・青兗二州刺史であった司馬恬（しば てん）の子として生まれた。元興元年（402年）には平西将軍・荊州刺史に任じられる。しかし、桓玄（かんげん）に追われ、南燕（なんえん）の慕容徳（ぼようとく）のもとに身を寄せた。その後、劉裕（りゅうゆう）が桓玄を滅ぼすと、建康（けんこう）に帰還し、再び荊州刺史となった。

荊州において人心を掌握した司馬休之に対し、劉裕は警戒心を抱き、謀反の意志があると疑った。司馬休之の子である司馬文思（しば ぶんし）が、司馬休之の兄である司馬尚之（しば しょうし）の後を継いで譙王（しょうおう）となると、劉裕を追い落とそうと画策したため、劉裕は司馬文思を捕らえて司馬休之のもとに送り返した。司馬休之は司馬文思の譙王位を剥奪し、劉裕に謝罪した。

義熙11年（415年）、劉裕は司馬休之の子である司馬文宝（しば ぶんぽう）と兄の子である司馬文祖（しば ぶんそ）を捕らえて殺害し、自ら軍を率いて司馬休之を討伐した。司馬休之は安帝（あんてい）に上表し弁明するとともに、鎮北将軍の魯宗之（ろ そうし）やその子の竟陵郡太守魯軌（ろ き）らとともに挙兵し、劉裕に対抗しようとした。しかし、劉裕軍が江陵（こうりょう）に迫ると、魯軌とともに襄陽（じょうよう）へ逃走した。劉裕軍はさらに進軍し襄陽を攻撃。後秦（こうしん）の征虜将軍姚成王（ようせいおう）や冠軍将軍司馬国璠（しば こくはん、司馬叔璠の兄）が南陽（なんよう）に現れ、北魏（ほくぎ）の明元帝（めいげんてい）が長孫嵩（ちょうそんすう）を派遣して河東（かとう）に駐屯させるなど、司馬休之を救援する動きもあったが、司馬休之が敗北したと聞くと、いずれも撤退した。司馬休之は司馬文思や魯宗之らとともに長安（ちょうあん）へ逃れ、後秦の庇護を受けた。

義熙13年（417年）、劉裕が北伐を行い後秦を滅ぼすと、司馬休之は司馬文思、司馬道賜（しば どうし）、輔国将軍温楷（おんかい）、竟陵郡太守魯軌、荊州治中韓延之（かんえんし）、殷約（いんやく）、平西参軍桓謐（かんひつ）、桓璲（かんずい）、桓道度（かんどうど）、桓道子（かんどうし）、勃海の刁雍（ちょうよう）、陳郡の袁式（えんしき）ら数百人と共に長孫嵩のもとを訪れ、北魏に降伏した。しかし、そのわずか1ヶ月後、長孫嵩の軍中で病死した。征西大将軍・右光禄大夫・始平公（しへいこう）の位を追贈され、諡は声といった。

子女

司馬文思（しば ぶんし）
司馬文宝（しば ぶんぽう）

伝記資料

『晋書』巻37 列伝第7
『魏書』巻37 列伝第25
* 『北史』巻29 列伝第17

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