各務原トンネル

各務原トンネルについて

各務原トンネルは、岐阜県各務原市と関市の境に位置する東海北陸自動車道の一部で、北山と権現山の山々を貫通している重要なトンネルです。このトンネルは、全長約3,050メートルの上り線と3,015メートルの下り線を有し、1986年に開通しました。開通に際しては、岐阜各務原ICから美濃ICまでの間が結ばれ、地域の交通において重要な役割を果たしています。

開通当初の特徴

各務原トンネルは、その開通当初から安全面への配慮がなされており、3本の避難連絡坑が設置されています。これにより、上下線の車両が相互に行き来することが可能です。また、下り線には集塵機室が設置され、環境への配慮もなされています。さらに、縦流式のジェットファン3基が導入され、トンネル内の空気循環を促進する役割を果たしています。

事故防止策と規制の見直し

開通当初より、各務原トンネルと近隣の権現山トンネルが連携し、6.5キロメートルの区間では進路変更禁止が規定されていました。この規制は、事故を未然に防ぐための重要な対策と位置づけられています。しかし、2019年には権現山トンネルの進路変更禁止規制が解除され、2023年には各務原トンネルでも同様に規制が見直されました。この解除の背景には、2021年から進められた避難連絡坑の増設やトンネル内の照明をLEDに変更する工事が功を奏したことがあります。

開通の経緯

各務原トンネルの建設が始まったのは1980年10月29日で、当初は東海北陸自動車道の一環として計画されました。1981年の着工後、トンネル工事による近隣の伊吹の滝への影響が取り沙汰されましたが、専門家の提言を受けて一旦は問題が解決されました。およそ6年の工事の末、1986年3月5日に正式に供用を開始し、現在に至ります。

施工技術

トンネルの制作には、在来工法とNATM（新オーストリア工法）の併用が採用されており、特に下り線の647メートル部分は中硬岩の地質条件のためNATM工法を用いています。また、工事によって発生した約50万立方メートルの残土は、他の工区の盛土に活用されるなど、資材の有効活用が図られました。

まとめ

各務原トンネルは、長年にわたり地域の交通を支える重要なインフラであり、歩みは地域発展の歴史そのものです。現在は多岐にわたる安全対策が導入され、今後も安全で快適な交通路として、その役割を果たしていくでしょう。

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