各務茂夫

各務 茂夫（かがみ しげお）

各務茂夫は、日本の実業界で著名な経営学者および実業家として広く知られています。彼は東京大学の教授であり、開志専門職大学では学長を務めているほか、多くの企業や学会で重要な役職を歴任しています。特にコーポレイト・ディレクションの創業パートナーとして、戦略的な経営の観点から日本のビジネス界に多大な影響を与えてきました。

学歴と初期キャリア

1982年に一橋大学商学部を卒業した各務は、まずボストン・コンサルティング・グループでコンサルタントとしてのキャリアをスタートさせました。その後、1986年には日本では初となる独立系戦略系コンサルティングファームであるコーポレイト・ディレクションの設立に参加しました。1997年まで同社に在籍し、その間に取締役主幹やロサンゼルス事務所長を担当し、企業戦略の発展に寄与しました。

また、彼は1989年にIMEDE（現国際経営開発研究所）で経営学修士（MBA）を取得し、2000年にはケース・ウェスタン・リザーブ大学で経営学博士の学位を取得しました。これらの学びをもとに、世界最大級のエグゼクティブ・サーチ会社であるハイドリックアンドストラグルズにパートナーとして参加し、コーポレートガバナンス改革に積極的に取り組みました。

大学での教育活動

2002年からは東京大学大学院薬学系研究科の助教授としてキャリアをスタートし、2004年には東京大学産学連携本部の教授に就任しました。さらに、産学連携本部事業化推進部の部長や、東京大学エッジキャピタルの監査役も務め、アカデミアと産業界の架け橋としての役割を果たしました。

その後、2007年には東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻の兼任教授を務め、2013年からは東京大学産学連携本部イノベーション推進部長としての職責も担っています。彼はアイセックジャパンの代表理事・会長としても活躍し、次世代のリーダー育成に貢献しました。

ベンチャー支援と受賞歴

各務は、産学連携や大学発のベンチャー支援、インキュベーション、アントレプレナーシップ教育といった多様なテーマに取り組んでおり、2015年には日本ベンチャー学会の第1回松田修一賞を受賞しました。これは彼の取り組みが高く評価された結果であり、日本のベンチャー支援の最前線に立つ人物であることを示しています。

私生活と著作

プライベートでは、経営学者である妻の各務洋子（駒澤大学学長）との家庭を築いています。彼の専門知識や経験は多くの書籍にも反映されており、2023年には『コンサルの光と闇』（冨山和彦他共著）が中央公論新社から出版されるなど、今なおその活動を広めています。

各務茂夫は、ビジネス界や学術界において不可欠な存在として、多くの後進に影響を与え続けています。

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