各務洋子

各務洋子氏の経歴と業績

各務洋子氏は、1959年11月に生まれ、日本の経営学者として著名な人物です。専門は経営戦略論であり、駒澤大学初の女性学長としても知られています。彼女の足跡は、音楽と学問、そして国際的な視点が融合したユニークなものです。

生い立ちと教育

東京都出身の各務氏は、父親が新聞記者という環境で育ちました。幼少期からピアノに親しみ、有賀和子氏など著名な指導者に師事しました。学業においては、都立戸山高等学校を経て、1983年に青山学院大学経営学部を卒業。大学在学中は、林吉郎氏の指導を受け、日米学生会議にも参加するなど、早くから国際的な活動に携わっていました。

1985年には、国際基督教大学大学院行政学研究科経営学専攻修士課程を修了し、修士（行政学）の学位を取得。大学院では、藤田忠氏や鈴木典比古氏に師事し、経営学の研究に励みました。在学中には、AIESEC一橋大学支部に加入し、その後、国際基督教大学にも支部を設立。AIESECの活動を通じて、内海州史氏（後にワーナーミュージック・ジャパン社長、セガ副社長）、岡俊子氏（後に経営コンサルタント、明治大学大学院教授）と共に、ブダペストでのインターンシップに参加しました。この経験が、彼女の国際的な視野を広げるきっかけになったと言えるでしょう。

1990年には、アリゾナ州立大学サンダーバード国際経営大学院でM.I.M.を取得。アメリカの企業でコンサルティング業務に従事した後、1997年に国際基督教大学大学院行政学研究科行政学専攻博士課程を修了し、博士（学術）の学位を取得しました。

教育者としてのキャリア

1998年、各務氏は駒澤大学経営学部講師として教鞭を執り始めました。2002年には同大学経営学部助教授に昇進。2004年には、駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部（仮称）設置準備室長に就任し、新しい学部の創設に尽力しました。2006年には同大学同学部助教授、日本学術会議連携会員となり、教育・研究活動を本格化させました。

2007年には同大学同学部准教授、2008年には同大学同学部教授に昇進。2009年には日本学術振興会科学研究費委員会専門委員に任命され、研究活動の推進にも貢献しました。2010年には駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部グローバル・メディア学科主任に就任し、学科の運営にも携わりました。2015年には駒澤大学グローバル・メディア・スタディーズ学部長、駒澤大学評議員に就任し、大学運営においても重要な役割を担うようになりました。

大学運営における貢献

2017年、各務氏は駒澤大学理事、駒澤大学評議員議長に就任。2019年には駒澤大学学長補佐として、学長を支える立場となりました。そして、2021年、女性として初めて駒澤大学学長に就任。同年、日本私立大学連盟理事にも選任され、私立大学全体の発展にも貢献しています。

2022年には、文部科学省大学設置・学校法人審議会委員、日本ベンチャー学会理事、私学研修福祉会評議員に就任するなど、学内外で多岐にわたる活動を展開しています。

家族

各務氏の夫は、コーポレイト・ディレクション創業者であり、東京大学教授の各務茂夫氏です。

著書・翻訳

各務氏は、経営学に関する多数の著書や翻訳を手がけています。主な著書には、『最新・現代企業論』（共著、2001年）、『交渉ハンドブック－理論・実践・教養』（共著、2003年）、『経営学基礎』（共著、2006年）、『トランスナショナル時代のデジタル・コンテンツ』（共著、2007年）、『コンテンツ学』（共著、2007年）、『映像コンテンツ産業とフィルム政策』（共著、2009年）、『社会とメディア』（共著、2013年）などがあります。

翻訳書としては、R.J.レビスキー, D.M.サンダーズ, J.W.ミントン著, 藤田忠監訳『交渉学教科書 : 今を生きる術』（共訳、1998年）があります。

各務洋子氏は、その卓越した学識と国際的な経験を活かし、教育・研究活動、大学運営、そして社会貢献に尽力する、現代社会が求めるリーダーの一人と言えるでしょう。

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