ホーリネス教会

ホーリネス教会について

ホーリネス教会は、メソジスト教会の流れを汲み、信仰の復興を目的とした「ホーリネス運動」に起源を持つプロテスタントの一派です。ホーリネス教団及びその教会を指し、神学的にはアルミニウス主義に基づいています。

ホーリネスの意味

「ホーリネス」という言葉は、ヘブル語で「聖」を意味し、神によって選び出される、または聖別されることを示しています。この教えによれば、回心を経て聖霊の満たしを受けることで人々は潔められ、罪から解放されるとされています。さらに、キリストの再臨や千年王国を待ち望む信仰も重視されており、聖霊体験の重要性、日常生活における信仰による聖化、神の癒し、イエスの再臨の確実性が説教の中心テーマとされています。信者は神学的な基礎を学んだ後、聖日礼拝の中で説教を行うことが可能です。

歴史的背景

アメリカにおける発展

ホーリネス運動は、1867年にニュージャージー州ヴィンランドで開催されたキャンプミーティングが契機となりました。この集会では、メソジスト教会の牧師が集まり、教会の停滞を打破するための取り組みが話し合われました。数千人が集まったこのイベントは、ホーリネス教会の始まりの場となり、以後各地で類似の集会が行われるようになりました。1880年代には、ホーリネス運動の影響が長老派、バプテスト派、会衆派へと広がり、カナダやイギリス、インドにもその波及が見られました。

ただし、ホーリネス運動はその超教派的性格から、賛否を巡る議論が起こり、いくつかの新たな教団が設立される結果となりました。1880年にはチャーチ・オブ・ゴッド、1887年にはアライアンス教会、1895年にはナザレン教会が次々と生まれ、ホーリネス運動はさらに多様化していきました。

日本における伝播

日本においては、1891年にイギリスからの宣教師バークレー・バックストン、そして1901年にアメリカのチャールズ・E・カウマン夫妻によってホーリネス信仰が伝えられました。彼らは「新生・聖化・神癒・再臨」という四重の福音を広め、1917年には「東洋宣教会ホーリネス教会」が設立されましたが、後に「日本ホーリネス教会」と改名されました。この教会は監督制度を採用しており、その権威は非常に大きなものでした。

1941年には教会合同が行われ、多くの教会が「日本基督教団」として一時的に統合されましたが、ホーリネス信者の中には合同を拒否した群れも存在しました。1942年にはホーリネス弾圧事件が発生し、信徒が投獄されるなど、厳しい状況が続きました。戦後は、ホーリネスの信仰を持つ教会が日本国内で独自の道を歩みはじめ、現在でも日本の福音主義の中で重要な位置を占めています。

聖霊派との違い

ホーリネス教会は、異言を重視する聖霊派とは異なる立場を持っています。最近では異言を神からの賜物の一つとして認識するような対話も進められていますが、一般的には個人的な祈りの中でのみ認め、公の場では控える姿勢を取っています。

まとめ

ホーリネス教会は、メソジスト教会の影響を受けつつ、信仰の復興と聖化を追求する教派です。歴史的な背景や日本での展開を考慮すると、信者の経験や神との関係の深め方に独自の教えを持つことが分かります。

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