吉井瑞穂

吉井瑞穂（1973年 - ）は、日本を代表するオーボエ奏者であり、その卓越した技術と音楽性で国際的に高い評価を受けています。

神奈川県鎌倉市出身の吉井は、5歳でピアノを始め、14歳からオーボエを井口博之に師事しました。東京藝術大学に進学後、ドイツへ留学し、カールスルーエ音楽大学を首席で卒業。在学中はトーマス・インデアミューレに師事し、研鑽を積みました。

1997年には、第66回日本音楽コンクールで優勝および特別賞を受賞。その他、バルビローリ国際コンクール、日本管打楽器コンクールでも入賞を果たし、その才能を早くから開花させました。

2000年、クラウディオ・アバドに見出され、マーラー室内管弦楽団の首席オーボエ奏者に就任。ヨーロッパを中心に演奏活動を展開し、アバドをはじめ、ギュンター・ヴァント、ニコラウス・アーノンクール、ピエール・ブーレーズ、ダニエル・ハーディングといった巨匠の指揮者たちと共演を重ねました。その回数は200回を超えます。ヨーロッパの主要オーケストラやアンサンブルからも客演首席奏者として頻繁に招かれています。

2007年には、ザルツブルク音楽祭でフィッシャーの「オーボエ協奏曲」をソロで演奏し、デビューを果たしました。

2017年3月には、夫と息子と共に拠点を鎌倉に移し、コンサートシリーズ「レゾナンス『鎌倉の響き』」を主催するなど、地域に根差した活動も行っています。

ソロや室内楽の分野でも精力的に活動しており、テツラフ・カルテット、レイフ・オヴェ・アンスネス、マーティン・フロストといった著名な音楽家たちと共演しています。また、マンハッタン音楽学校をはじめ、イギリス、スペイン、ドイツ、コロンビア、ベネズエラなどでマスタークラスの教授として後進の指導にも力を注いでいます。東京藝術大学准教授、ルツェルン祝祭管弦楽団設立メンバーでもあります。

吉井瑞穂は、これまでに数々の賞を受賞しています。1995年には英ワイト島国際オーボエコンクールに入賞、1996年には第3回日本管打楽器コンクールに入賞、1997年には第66回日本音楽コンクールで優勝と特別賞を受賞、2019年には第49回JXTG音楽賞洋楽部門奨励賞を受賞しています。

メディアへの出演も多数あり、BS日テレ「恋するクラシック」やBSジャパン「おんがく交差点」などに出演し、その魅力を伝えています。

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