吉安満定

吉安満定

吉安満定（よしやす みつさだ）は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将であり、毛利氏の家臣として知られています。彼は冷泉氏の一門であり、家老という要職を務めました。

生涯

満定は、大内氏の家臣であった冷泉隆豊の弟、吉安豊英の嫡男として生まれました。彼は従兄弟にあたる冷泉元豊・元満兄弟に仕え、各地の戦いに従軍しました。

慶長2年（1597年）に始まった慶長の役では、冷泉元満が毛利秀元に従って朝鮮半島へ渡ると、満定もこれに同行しました。しかし、同年12月22日、蔚山城の戦いにおいて悲劇が起こります。明軍の先鋒である擺寨が指揮する軽騎兵1000による急襲を受け、元満は配下の将兵や同じく毛利氏家臣である阿曽沼元秀、都野家頼と共に戦死しました。

当時、満定は別の用件で元満と離れていましたが、元満の戦死を知ると直ちに戦場へ駆けつけました。彼は敵軍を追い払い、元満や冷泉家臣の遺体を船に収容して日本へ送還するという功績を挙げました。その後、満定は蔚山城に入城し、翌12月23日の攻防戦において、冷泉氏家臣である伊賀崎満重や白松満明と共に壮絶な戦死を遂げました。

満定の死後、慶長3年（1598年）1月7日、安国寺恵瓊と福原広俊は毛利輝元の側近である榎本元吉に書状を送りました。その中で、冷泉元満の戦死と元満の子・元珍の家督相続について述べると共に、満定の働きを「比類無き仕合で前代未聞のこと」と高く評価し、特別に褒美を与えるよう進言しました。さらに同年2月25日には、輝元が元珍に対する書状で元珍の家督相続を認めると共に、満定の働きを「比類無き覚悟」と称賛し、その子を取り立てて養育することが重要であると述べています。この輝元の意向を受け、満定の嫡男・定俊は毛利氏家臣として取り立てられることとなりました。

満定の生涯は、主君への忠義と武勇に満ちたものでした。彼の死は多くの人々に惜しまれ、その功績は長く語り継がれています。

参考文献

周東町史編纂委員会 編『周東町史』周東町、1979年3月。全国書誌番号:79033717。 国立国会図書館デジタルコレクション
『萩藩閥閲録』巻72「冷泉勘右衛門」

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