冷泉元満

冷泉元満（れいぜい もとみつ）

冷泉元満は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将であり、毛利氏の家臣として知られています。代々水軍の将を務めた冷泉氏の一員として、彼は turbulent な時代を生き抜き、数々の戦でその勇猛さを示しました。

生涯

天文10年（1541年）、元満は大内氏の家臣である冷泉隆豊の子として誕生しました。しかし、天文20年（1551年）の大寧寺の変で父・隆豊が大内義隆に殉じて戦死するという悲劇に見舞われます。幼少の元満は、兄の五郎（後の冷泉元豊）と共に、父の弟である吉安豊英に連れられ、母方の祖父である平賀弘保のもとへ落ち延びました。

その後、毛利元就が防長経略を進める中で、弘治元年（1555年）から弘治3年（1557年）にかけて、元満は兄と共に毛利氏に仕えることになります。冷泉氏は代々水軍の将であったため、元満もその才能を発揮し、毛利水軍の一員として大友氏や織田氏との戦いで活躍しました。

永禄5年（1562年）には、兄・元豊が門司城代として豊前国を守っていましたが、大友氏の攻撃により戦死。元豊に男子がいなかったため、元満が冷泉氏の家督と門司城代を継承することになりました。また、元満は九州探題家渋川氏の子孫である渋川義満の娘を正室に迎えています。この婚姻は、渋川氏を継承するためであったという説もあり、元満の名前にある「満」の字は、義父である義満に由来するとも言われています。しかし、最終的には冷泉氏を継いでいます。

元満は、毛利輝元から偏諱を授けられており、「元」の字は輝元から与えられたものと考えられています。もしそうであれば、元満と名乗った時期は、輝元が元服した永禄8年（1565年）以降となります。

天正17年（1589年）には、毛利輝元の妾であった横田局を妻とします。この時、輝元は元満ではなく横田局に長門国厚狭郡で100石を与えています。

文禄の役（1592年）では、毛利輝元に従って朝鮮半島へ出兵し、帰国後の文禄3年（1594年）には出雲国仁多郡の亀嵩城主となりました。慶長の役（1597年）でも再び朝鮮半島へ渡り、毛利秀元に従って戦いましたが、同年12月22日、蔚山城の戦いにおいて明軍の急襲を受け、配下の将兵や阿曽沼元秀、都野家頼と共に戦死しました。享年58歳。

元満の遺体は、従兄弟である吉安満定によって日本へ送られました。吉安満定も翌日の攻防戦で戦死しています。

元満の死後、嫡男である元珍（元祥）が家督を継ぎました。

偏諱を与えた人物

吉安満定（元満の従兄弟、冷泉氏家老）
伊賀崎満重（冷泉氏家臣）
* 白松満明（冷泉氏家臣）

冷泉元満の人物像

冷泉元満は、戦国時代の激しい動乱の中で、毛利氏に忠義を尽くし、水軍の将として数々の戦で武功を挙げました。彼の生涯は、武士としての勇猛さと、家を守り抜く責任感に満ち溢れています。蔚山城での壮絶な戦死は、彼の武士としての誇りを示すものと言えるでしょう。

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