吉岡俊正

医学者・医師としての歩み

吉岡俊正氏は、医学教育学と小児腎疾患を専門とする日本の医学者、医師です。医学博士の学位を持ち、学校法人東京女子医科大学の理事長を務めています。彼の経歴は、教育者、研究者、そして医療者としての多岐にわたる活動によって彩られています。

生い立ちと教育

医学者の吉岡守正氏を父に持ち、医学の道を志しました。北里大学医学部を卒業後、研修医として同大学病院の小児科に勤務しました。その後、アメリカに渡り、ハーバード大学医学大学院のボストン小児病院で腎臓病科のリサーチフェローとして研究活動に従事しました。

1990年には、北里大学より医学博士の学位を取得しています。博士論文のテーマは「Impaired preservation of GFR during hypotension in preexistent renal hypoperfusion」です。

研究者としてのキャリア

アメリカから帰国後、東京女子医科大学で講師、助教授、そして主任教授を歴任しました。特に医学教育学分野において、「テュートリアル教育」や「チーム・ベースド・ラーニング」といった新しい教育手法の導入に尽力しました。

また、東京女子医科大学の運営法人である学校法人東京女子医科大学では理事、副理事長を経て、2013年からは理事長を務めています。

医学教育分野への貢献

吉岡氏は、医学教育分野において数々の重要な役割を担ってきました。西太平洋地区医学教育連盟の会長、日本医学教育学会や日本医学英語教育学会の理事を歴任しました。また、日本医学教育学会では医学教育分野別評価基準策定委員会の委員長を務めるなど、医学教育の質の向上に貢献しています。

大学評価における活動

文部科学省の大学設置・学校法人審議会学校法人分科会委員、大学基準協会の大学評価委員・主査など、日本の大学に対する認証評価にも深く関わっています。さらに、フィジー大学医学部の認証評価主査やモンゴル医科大学の外部評価委員など、海外の大学評価にも貢献しています。

家族と親族

吉岡家は、医学や教育に携わる人物を多く輩出している家系です。祖母の吉岡彌生は東京女子医科大学の前身となる東京女医学校の創設者であり、日本の女性医師育成に尽力しました。父の吉岡守正も医学者であり、東京女子医科大学で「テュートリアル教育」を導入しました。また、曾祖父の鷲山養斎も医師であり、縁戚には学者や医師が多いです。

主な略歴

1979年：北里大学医学部卒業
1979年：北里大学病院小児科研修医
1984年：ボストン小児病院腎臓病科リサーチフェロー
1987年：ヴァンダービルト大学医学部講師
1994年：東京女子医科大学医学部講師
1997年：東京女子医科大学医学部助教授
2003年：東京女子医科大学主任教授
2003年：東京女子医科大学理事
2010年：東京女子医科大学副理事長
2012年：文部科学省大学設置・学校法人審議会学校法人分科会委員
2013年：東京女子医科大学理事長

著作

共著：『医の未来』（矢崎義雄編、岩波書店、2011年）
分担執筆：『実践PBLテュートリアルガイド』（吉田一郎・大西弘高編著、南山堂、2004年）
分担執筆：『テュートリアル教育――新たな創造と実践』（東京女子医科大学医学部テュートリアル委員会編、篠原出版新社、2009年）
翻訳：『世界医学教育連盟グローバルスタンダード』（World Federation for Medical Education編、吉岡俊正・小島多香子監訳、2010年）
監修：『腎とフリーラジカル』（副島昭典・吉岡俊正監修、東京医学社、2004年）

関連事項

北里大学病院
ボストン小児病院
学校法人東京女子医科大学
チュートリアル

外部リンク

東京女子医科大学医学教育学教室 - 吉岡が所属する教室の公式サイト'>東京女子医科大学医学教育学教室
東京女子医科大学大学院 医学教育学分野 - 吉岡が所属する分野を紹介するページ'>東京女子医科大学大学院 医学教育学分野

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