吉江崇

吉江 崇（よしえ たかし）は、1973年に生まれた日本の歴史学者です。主な専門分野は日本古代政治史であり、現在は京都大学国際高等教育院歴史文明教室の教授として、教育・研究活動に従事しています。

長野県上田市に生まれ、その後大阪府枚方市で育ちました。学問の道に進み、1997年に大阪教育大学教育学部教養学科を卒業しました。さらに歴史研究を深めるため、京都大学大学院文学研究科に進学し、1999年には歴史文化学専攻の修士課程を修了。続いて博士後期課程へ進み、2002年に研究指導認定を受け課程を退学しました。大学院在学中から研究活動に励み、2005年にはこれまでの研究成果に基づき、博士（文学）の学位を取得しました。

研究者としてのキャリアは、2002年に京都大学大学院文学研究科の助手としてスタートしました。同時に、京都大学埋蔵文化財研究センターの助手も兼任し、研究対象への多角的なアプローチを経験しました。その後、2007年には京都教育大学教育学部社会科学科の講師に就任し、教育者としての第一歩を踏み出します。2009年には同准教授に昇任し、教育・研究の幅を広げました。2017年には再び京都大学に戻り、大学院人間・環境学研究科の准教授を務め、高いレベルでの研究環境に身を置きました。そして、2022年からは現在の京都大学国際高等教育院歴史文明教室の教授として、次世代の歴史学研究者の育成にも力を入れています。

吉江氏の専門とする日本古代政治史では、特に古代日本の宮廷社会における儀礼や、それを主宰する天皇の政治的役割に焦点を当てた研究を展開しています。これらの儀礼が古代国家の運営や権力構造にどのように影響を与えたのか、といった点について詳細な分析を行っており、単著『日本古代宮廷社会の儀礼と天皇』にその成果が結実しています。この著作は、古代天皇制と宮廷儀礼の関係性を深く掘り下げたものとして評価されています。

また、吉江氏は単著だけでなく、他の研究者との共同による著作も多数発表しています。主な著書・共著には以下のものがあります。

著書
『日本古代宮廷社会の儀礼と天皇』（塙書房、2018年）

共著
『律令国家史論集』（塙書房、2010年）
『岩波講座日本歴史 第4巻 (古代4)』（岩波書店、2015年）
『東大寺の新研究 2』（法藏館、2017年）
『兵範記 ; 範国記 ; 知信記 影印篇』（思文閣出版、2020年）
『兵範記 ; 範国記 ; 知信記 翻刻・解説篇』（思文閣出版、2020年）
* 『京都を学ぶ : 文化資源を発掘する 洛東編』（ナカニシヤ出版、2021年）

これらの活発な研究活動を通じて、吉江崇氏は日本古代政治史、特に宮廷儀礼や天皇研究において重要な貢献を果たしており、今後のさらなる活躍が期待される研究者です。

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