ナカニシヤ出版

ナカニシヤ出版について



ナカニシヤ出版は、日本の京都市に位置する出版社で、人文科学や社会科学分野に特化した書籍を中心に出版を行っています。特に心理学や社会学に関する学術書、大学の教科書が主な品揃えであり、さらに山岳関連の書籍も扱っています。創業以来、京都大学の研究者による著書が多いことが特徴です。

沿革



ナカニシヤ出版の歴史は1928年にさかのぼります。創業者である中西喜一郎が丸善から独立し、「ナカニシヤ書店」として書店を開業しました。当初は京都大学の正門前という立地を活かし、教員や学生を主な顧客として洋書や古書を扱っていました。この店舗は「本の質店」としても知られ、出版業務も並行して行っていました。

第二次世界大戦後、店は和書の専門店へと変貌を遂げ、1982年には「株式会社ナカニシヤ出版」として独立しました。それ以降、教科書や専門書の出版を手掛け、特に人文科学や社会科学の分野で評価を受けており、京都での「地元本」と呼ばれる地域に密着した出版物も広く取り扱っています。2004年には、現在の本社所在地である左京区一乗寺木ノ本町に移転しました。

所在地



ナカニシヤ出版の本社は、京都府京都市左京区一乗寺木ノ本町15番地にあります。この地は、著名な大学の近隣に位置し、教育機関との結びつきが強い環境にあります。

受賞歴



ナカニシヤ出版から刊行された書籍は、多数の賞を受賞しています。たとえば、松原宏之の『虫喰う近代:一九一〇年代社会衛生運動とアメリカの政治文化』は、2013年に第9回女性史学賞を受賞しました。小門穂の著作『フランスの生命倫理法:生殖医療の用いられ方』は、2015年に第33回渋沢・クローデル賞を受賞し、平芳幸浩の『マルセル・デュシャンとアメリカ:戦後アメリカ美術の進展とデュシャン受容の変遷』は2016年に第27回吉田秀和賞を受賞しています。また、京都トレイルガイド協会が編著した『京都一周トレイルマップ&ガイド:全5コース・14ルートを楽しむ』は、2021年に京都ガイド本大賞2022年・リピーター賞を獲得しました。

結論



ナカニシヤ出版は、京都という文化的背景を活かしつつ、幅広い分野で高品質な書籍の出版を続けている出版社です。人文科学や社会科学だけでなく、地域に根ざした書籍の発行を通じて、学術界や一般読者に貢献しています。

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