吉沢敏雄

吉沢 敏雄（よしざわ としお、1950年 - 2014年11月28日）は、日本の静岡県出身の元アマチュア野球選手。主に投手、内野手として活躍した。

静岡県天竜市二俣町（現浜松市天竜区二俣町）出身。大宮工業高校では投手として活躍し、1968年にはエースとして春夏連続で甲子園に出場。特に春の選抜大会では、初出場ながら快進撃の中心となった。大会中、肩の痛みや発熱に苦しみながらもマウンドを守り続け、左翼手で強打者の布施章選手（後に社会人野球で活躍）らの援護もあり、チームを決勝へと導いた。準決勝で箕島高校から勝利を収め、決勝では尾道商業高校との投手戦を制し、大宮工業に「初出場初優勝」の偉業をもたらした。

同年夏の選手権大会では、2回戦で津久見高校の石井吉左衛門投手（後に社会人野球）の前に敗退。当時のチームメイトには、後にプロ野球に進んだ石井清一郎選手（阪急）や奈良正雄選手（ロッテ）らがいた。また、春の選抜で対戦した浜松工業には、自身の中学時代の旧友がいたという。

高校卒業後、慶應義塾大学に進学。大学では内野手に転向した。東京六大学野球リーグでは、同期に萩野友康投手や長谷部優投手といった好投手がおり、彼らの活躍もあって、1971年秋季から3季連続でリーグ優勝に貢献した。1972年春季リーグでは、三塁手としてベストナインに選出されている。

同年、大学野球日本一を決める全日本大学野球選手権大会に出場。決勝まで進んだが、関西大学の山口高志投手（後にプロ野球界を代表）の前に無得点に抑えられ準優勝に終わった。同年に初めて開催された日米大学野球選手権大会では、日本代表チームの一員に選ばれた。大学時代の同期には、池田和雄選手らがいる。

大学卒業後、東京ガスに入社し野球部へ。社会人野球でもプレーを続けた。慶應義塾大学の先輩エース、工藤真投手らが牽引するチームの一員として、1975年の都市対抗野球大会に出場。チームは準々決勝で大丸に敗れた。この大会では、補強選手であった伊藤友幸選手（熊谷組）が主に起用され、自身の出場は1試合にとどまった。翌1976年に現役を引退した。

現役引退後の詳細は不明だが、2014年11月28日、膵臓癌のため64歳で死去した。吉沢敏雄氏は、高校野球史に残る快挙や、大学野球での実績を残した人物である。

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