吉田茂八

吉田茂八について

吉田茂八（よしだ もはち）は、1825年か1838年に生まれた江戸時代の日本の重要な人物で、札幌の開拓初期に活躍しました。彼は豊平川の左岸で渡守として知られ、現在の札幌市エリアで初めて和人として定住した一人とされています。

生い立ち

吉田は、北海道福山の荒物屋の三男として生まれたとされていますが、実際の出身地に関しては異なる説も存在します。一部では、彼が岩手県宮古市の出身であるという説もあり、その際には網元吉田重兵衛の子供として生まれたとも言われています。吉田は幼少期に福山の荒物屋の吉田利助の養子となり、その後の人生においてさまざまな経験を積むことになります。

彼は、箱館奉行所石狩役所に従事していた亀谷丑太郎の従僕として働き始め、1855年ごろには石狩方面に移り住みました。その後、札幌にも足を運び、猟師として生活をしていたようです。

渡守としての活動

1857年、幕府の命令により、吉田は豊平川の渡守に任命され、妻子と共に南4条東4丁目に居を構えました。彼の生活は多岐にわたり、狩猟を楽しむ一方で、銭函と千歳を結ぶ札幌越新道の開削にも関与しました。吉田は当時の札幌周辺の僧侶である定山とも親しい関係を築き、地域社会に貢献していました。

明治維新後の業績

明治維新後、吉田は請負業にシフトし、札幌市内での様々な建設工事に関与しました。特に1870年には、創成川の上流部での掘削工事を手掛け、その工事は「吉田掘」と名付けられるなど、地域に根付いた影響力を持ちました。彼の請負業は成功を収め、1871年には戸籍を福山町から東創成町に移すほどの繁盛ぶりを見せました。

家族と晩年

吉田の家族構成には、妻の美輪と娘の須恵が含まれ、さらには多くの奉公人が住んでいました。しかし、娘の須恵が亡くなった後の吉田の生活には不明な部分も多く、彼の晩年についての詳細は不明です。1892年に海難事故に遭遇したとの説もある一方で、1920年には孫娘の戸籍に名前が記載されており、彼が95歳を過ぎて生存していた可能性も残されていますが、真相は謎に包まれています。1952年には「年月日及び場所不詳死亡」として戸籍から除名されました。

吉田茂八碑

1981年、吉田茂八の功績を称えるため、彼の碑が札幌市内に建設されました。この碑は南4条東4丁目の豊平橋園地に位置し、彼の開拓者としての足跡を今に伝えています。

吉田茂八は、札幌の発展の基盤を築いた重要な人物であり、彼の生涯は、当時の人々が新たな土地でどのように生活を築いていったのかを物語っています。

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