銭函

銭函（ぜにばこ）

銭函は、北海道小樽市に位置する地区で、1丁目から5丁目まであります。古文書では「錢凾」とも表記されます。石狩湾に面し、古くから交通の要衝、漁業の町として栄えてきました。

概要

銭函地区は、小樽市の最東端に位置し、札幌市に隣接しています。国道5号、国道337号、JR函館本線が通り、交通の便が良いことが特徴です。かつてはニシン漁で栄え、札幌への交通路として重要な役割を果たしました。近年は、札幌市のベッドタウン化が進み、特に3丁目では人口が増加傾向にあります。また、準工業地帯として軽工業の工場が集まる銭函工業団地が形成されています。

一方、1丁目と2丁目は、漁師町の面影を残し、昔ながらの商店や現役の漁師が暮らす歴史的な街並みが残っています。

4丁目と5丁目は、石狩湾新港開発に伴い石狩町（現・石狩市）から編入された地域で、工業地帯として発展しています。銭函3丁目と4丁目は新川を隔てて隣接していますが、橋がないため、往来には札幌市域を経由する必要があります。

地名の由来

銭函の地名の由来は、ニシンが大量に獲れたため、「銭函」と呼ばれるようになったという説が有力です。ニシン漁でどの漁師の家にも銭箱が積み上げられていたという説もあります。

地理

銭函は、小樽市の最東端に位置し、石狩湾に面しています。1丁目は海岸段丘上にあり、3丁目から5丁目は石狩平野の北西端に位置するため、比較的平坦な地形です。2丁目は、これらの地域の中間に位置し、起伏に富んでいます。

東側は、札幌市手稲区（星置、手稲山口、手稲前田）と石狩市（新港西、新港中央）に接しています。西側は、海岸線沿いに張碓町、山側に国道5号を挟んで春香町、桂岡町、見晴町、星野町と接しています。

地区内には、以下の河川が流れています。

新川
白井川
清川
星置川
ポンナイ川
キライチ川
銭函川
礼文塚川

歴史

銭函は、アイヌの人々が鮭漁を行う場所として古くから知られていました。北海道開拓の父と呼ばれる島義勇が、札幌に開拓府を建設する際、交通と交易の要所として白濱園松宅に仮本府を置いた場所でもあります。明治14年には鉄道が開通し、小樽と共に駅が開設されました。

1938年1月27日には、銭函沖約8kmで石炭運搬船「昭広丸」が沈没し、31名の死者・行方不明者を出す海難事故が発生しました。

交通

鉄道

JR北海道函館本線
銭函駅
ほしみ駅（札幌市域）

バス

北海道中央バス - 札樽線
ジェイ・アール北海道バス - 札樽線

道路

札樽自動車道 銭函IC（星野町）
国道5号
国道337号
北海道道147号銭函インター線
北海道道225号小樽石狩線
北海道道1066号石狩湾新港線
北海道道1126号銭函停車場線

港湾

石狩湾新港
樽川埠頭
西埠頭

主な施設

小樽市役所銭函サービスセンター
小樽警察署銭函交番
小樽市消防本部銭函支署
銭函下水終末処理場
自衛隊銭函演習場
小樽市銭函市民センター
銭函郵便局
小樽銭函西郵便局
北海道信用金庫銭函支店
医療法人ひまわり会札樽病院
北海道職業能力開発大学校
北海道高等聾学校
北海道小樽高等支援学校
小樽カントリー倶楽部
銭函海水浴場
サンセットビーチ銭函
おたるドリームビーチ

祭り・イベント

豊足神社例大祭（6月下旬）
小樽ビール銭函醸造所まつり（8月上旬）
* ライジング・サン・ロックフェスティバル（8月中旬）

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