吉野トヨ子

吉野トヨ子（よしの トヨこ）

吉野トヨ子は日本の陸上競技選手であり、特に円盤投においてその名を広めた。1920年2月12日、北海道の網走市で生まれ、2015年1月24日に95歳で逝去した。彼女は戦前から戦後にかけて、陸上競技の多様な分野で活躍し、多くの記録を残した。

学歴と初期のキャリア

吉野は香蘭高等女学校を卒業後、中京高等女学校の家事体操専攻科で学んだ。学生時代から彼女の身体能力は優れており、スプリンターとして活躍していた。特に1938年には五種競技で日本新記録を打ち立て、237点という成績を残している。

陸上競技の転帰と成績

第二次世界大戦後、彼女は競技種目を円盤投と砲丸投に転向。1950年には関東選手権において42m58の投擲を記録し、これが当時の日本新記録となった。翌年のアジア競技大会では円盤投、砲丸投、やり投の3種目で金メダルを獲得し、その名が広まった。

1952年にはヘルシンキオリンピックに出場し、円盤投で4位入賞を果たした。さらに同年には平和台リレーカーニバルで43m63を投げ、日本新記録を再び更新した。1954年のアジア競技大会でも成功を収め、円盤投と砲丸投で金メダルを獲得。久しい活躍が続いた。

日本選手権での偉業

吉野トヨ子は日本選手権においても目覚ましい成績を残しており、特に100メートル、走幅跳、砲丸投、円盤投、五種競技、リレーなど様々な種目で合計22回優勝した。この成績は、彼女とともに96年に日本選手権で24回優勝した山内リエに次ぐ記録である。円盤投では8連覇を達成し、砲丸投でも5連覇の偉業を成し遂げた。

公務員と指導者としての活動

競技現役時代は山梨県庁に勤務し、1957年に引退後は後進の指導に力を注いだ。また、埼玉県に移住し、埼玉県教育委員会での職務を経て、定年まで充実した人生を送った。

マスターズ陸上での業績

引退後も吉野はマスターズ陸上に参加し、1987年にはW65クラスで円盤投に出場し、24m90の日本マスターズ新記録を樹立した。その後1990年のW70クラスでも25m80を投げ、このクラスでも新記録を打ち立てた。

日本陸上競技界において彼女の足跡は深く刻まれており、多くの後進選手にとって彼女の存在は大きな励みとなっている。吉野トヨ子は日本の陸上競技界の歴史に名を刻む選手の一人となっている。

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