吉野型防護巡洋艦

吉野型防護巡洋艦

吉野型防護巡洋艦は、いわゆる日本海軍の艦船の一種で、特に防護巡洋艦として知られています。この艦は1891年にイギリスのアームストロング社によって発注され、エルジック造船所で建造されました。発注された艦は「吉野」と名付けられ、当時の設計者であるサー・フィリップ・ワッツは、アルゼンチンのベインテシンコ・デ・マヨ級防護巡洋艦を基にした改良型を作り上げました。

特徴

「吉野」は、速射砲による武装と高い機関出力を持ち、当時の水雷艇と同等の速力である23ノットという驚異的な速さを誇りました。そのため、竣工時には世界的に見ても第一級の巡洋艦と評価されました。そして、1893年に完成した吉野は、浪速型防護巡洋艦や「和泉」と共に日清戦争に出征し、その優れた性能を通じて多くの戦闘で成果を上げました。

同型艦

日清戦争後の1898年、吉野の同型艦となる「高砂」が再びアームストロング社に注文されて建造されました。高砂は「吉野」とほぼ同様の船体を持ちつつも、装甲厚を増す改良や主砲を15.2cm砲4門から20.3cm砲2門に強化するなど、様々な改造が施されました。高砂は1902年に行われたエドワード7世戴冠記念観艦式のためにヨーロッパを訪問しました。

戦歴

両艦は1904年の日本とロシアの間で勃発した日露戦争にも参加しますが、吉野は哨戒中に濃霧により「春日」と衝突し、旅順沖で沈没しました。一方、高砂は旅順攻略作戦において陸上からの砲撃を行っている最中に触雷し、悲運の沈没を遂げました。

参考文献

• - 海軍歴史保存会『日本海軍史 第7巻』（第一法規出版、1995年）
• - 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第5巻 重巡I』（光人社、1989年）
• - 福井静夫『福井静夫著作集第4巻 日本巡洋艦物語』（光人社、1992年）

これらの情報は、吉野型防護巡洋艦が日本海軍にどのように寄与したのか、そしてその艦船が歴史の中で果たした役割を後世に伝えるための一助となることを意図しています。

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