吉野鉄道モハ201形電車

吉野[[鉄道]]モハ201形電車

吉野[[鉄道]]モハ201形電車は、現在の近鉄吉野線の前身である吉野[[鉄道]]が1929年（昭和4年）に導入した電車です。ここでは同系の制御車であるサハ301形についても解説します。

概要

吉野[[鉄道]]は、吉野口駅から吉野駅（現在の六田駅）間を開業後、畝傍駅への延伸と輸送力増強のため全線電化を実施。木造電車や電気機関車を運行していました。1929年には大阪鉄道による大阪阿部野橋への直通運転が開始され、それに伴い、吉野[[鉄道]]がモハ201形（201 - 206）とサハ301形（301 - 314）の合計20両を川崎車輌で製造しました。

車体

モハ201形は、上毛電鉄デハ101型と類似した設計で、16m級2扉の全鋼製車体を備えています。当時の鉄道省31系電車と比較して、リベット数が少なく、窓上のウィンドウヘッダーに沈頭鋲を使用するなど、技術的に先行していました。側面窓は観光電車としての性格を考慮し、戸袋窓を含め全て上部にRを付けた幅1mの広窓を採用。客用扉は幅1.2mの片開き式で、乗降を円滑にするためステップが設置されていました。車内はロングシートで、運転台と反対側は妻面までロングシートが設置され、前面展望を楽しめる構造でした。

主要機器

主電動機は川崎造船所製のK7-1503-Aを各台車の動軸内側に吊り掛け式で4基搭載。多客時にはモハ1両でサハ3両を牽引するMTTT編成や、2両のモハが3両のサハを挟むMTTTM編成で運行されました。制御装置は三菱電機製のHL制御器、ブレーキ装置はAMM・ACM自動空気ブレーキを搭載。台車はボールドウィンA形台車を基本としつつ、枕ばねをコイルばね化したものが採用されました。

運用

吉野[[鉄道]]・大阪電気軌道時代

モハ201形は吉野[[鉄道]]の主力車として運用され、サハ301形は電機51形が牽引する列車にも使用されました。しかし、吉野[[鉄道]]は大阪電気軌道に吸収合併され、同社吉野線となります。その後、モハ201形とサハ301形は関西急行電鉄へ転属。

関西急行電鉄・近畿日本鉄道時代

関西急行鉄道成立後、モハ201形はモ5201形、サハ301形はク6501形・ク5511形に改称されました。名古屋線では、モ5201形は運用上の制約が多く支線区中心に使用された一方、サハ301形から改造されたク6501形は急行運用に充当されました。

1959年の名古屋線改軌工事までにク5511形は南大阪・吉野線系統へ戻り、ク6501形の一部は台車を改造して名古屋線で引き続き運用されました。1963年にはク6509が養老線へ転用、名古屋線に残った車両は車体更新工事が施工されましたが、1970年代にかけて順次養老線へ転用・廃車となりました。

南大阪・吉野線系統

モ5201形は1957年に南大阪・吉野線系統へ戻り、3両ずつで2編成を組み、南大阪線の急行運用を中心に運用されました。ク5511形から改造されたク6511形も転属し、モ5203・5206は電装されてモ5211形となりました。

養老線

名古屋線で使用されていたク6501形の一部は養老線へ転用され、同線の近代化の過程で廃車が進みましたが、一部は1970年代まで残存しました。

廃車

モハ201形は、車体構造の堅牢さから長期に渡り使用されましたが、老朽化により1974年までに吉野線在籍車が、1977年までに養老線在籍車が全車廃車となりました。廃車後、保存されている車両はありません。

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